生育不良|病害虫

【大きくならない?花が落ちる?その理由は】ナスの生育不良|病害虫

1.ナスのよくある生育不良

一番果がかたくて食べられない

石ナス

開花時の温度不足が原因で、ナスは受粉から果実に発育までには20℃〜25℃の温度が必要です。

一番花が着く頃にはまだ気温が低く、低温障害によって受精せずに果実が肥大する「種なし果」が起こりやすく、果実がかたい石ナスができることがあります。

植えつけ時にポリマルチや有機マルチを敷いて地温を高めるのが良いです。

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実が大きくならない

ナスの実が大きくならない

葉が大きく、節間が長いようなら窒素が多すぎることが原因なので肥料を控えるようにしましょう。

株が小さくて、葉も小さく黄色っぽいようなら肥料不足が原因ですが、株の生育が充分であるならば、地温が低いことが原因です。

植えつけ時にポリマルチや有機マルチを敷いて地温を高める暖かくなるまで待ちましょう。

花が落ちてしまう

ナスの本支柱立て

「ナスの花は千に一つの無駄なし」といわれますが、必ずしもそうではないです。

特に葉が茂りすぎて花に日が当たらないと、受精せずに落ちてしまうので、株の成長と収量のバランスを考えると、3本仕立てをオススメします。

りぐ

整枝をして花に日をあててやりましょう。

何回か収穫したあと、実がつかない

ナスの花

ナスは、花を見れば株の成長具合が分かりますので、花のおしべとめしべの長さを観察しましょう。

めしべの方が長く、花の中央に伸びていれば株が健全な証拠で、花も大きく、色も濃い紫色です。

おしべのほうが長いと、実のなりが悪くなり、肥料切れか水不足、または病害虫の弊害で生育が衰えている証拠です。

曲がったナスができる

ナスの実が曲がる

ナスの樹が疲れてきて、肥料切れになってくると形が悪いナスができやすくなりますので、このような時は、化成肥料を施して、樹の状態を回復させましょう。

りぐ

肥料切れの兆候としては、おしべがめしべより短くなります。

赤いトマトのような実がなる

ヒラナスの実

もしナスから赤い実ができたらそれは接木苗の台木のヒラナスの実です。

連作障害を避けるために、ヒラナスを台木に用いた接木苗を植えつけた可能性があります。

接木苗の場合、台木のわき芽が伸びて実がなることがありますので、台木から伸びたわき芽は小さいうちに摘み取りましょう。

りぐ

ヒラナスの葉はナスとは違うので、見ればすぐにわかりますよ。

果皮が茶色にかさぶたができている

ナスにかさぶたができる

強風で葉がこすれて傷になったのが原因で、傷が広がることはないので食べれます。

実の表面が傷だらけ・かすり状の傷がある

ナスがキズだらけ

実の先端部分が傷だらけになっていることがあります。

これはアザミウマという小さな害虫が、花が落ちてすぐの小さな実の時に傷をつけたのが原因で、実が大きくなって目立ってきたものです。

花の下に手のひらに置いて、花を指ではじいて落ちてくる虫があるか確認し、小さな虫が落ちてきたらアザミウマが発生しているので、害虫防除したほうが良いです。

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傷がついたナスは皮をはげば、食べることができます。

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変な形になる

ナスが変な形になる

実に小さな実がくっついた形になるのは、養分または水分が多すぎることが原因なので、肥料分、水分を控えめにして様子を見ましょう。

つやがない

ナスにツヤがない

水分不足が原因ですので、土を乾燥させないように注意しましょう。

2.ナスのおもな病害虫

モザイク病

ナスのモザイク病

葉がモザイク模様になったり、株全体が萎縮したりします。

ウイルスが原因で起こり、また、この病気に登録のある薬剤・農薬はありません。

発症した株は抜き取り処分し、アブラムシなどによるウイルスの伝染によって発病するため、ウイルスを媒介するアブラムシなどを防除しましょう。

アブラムシ防除の薬剤は、周辺の草花も含めて散布します。

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青枯れ病

ナスの青枯れ病

ある程度の大きさまで育ったときに葉や茎が急にしおれて枯れます。

土の中の病原菌が原因なので、発症したらすぐに引き抜いて処分しましょう。

ほかの株への感染を避けるため、被害にあった株を切断したハサミは、熱湯などで十分に消毒し、発生した土地で使用した農器具や靴はよく洗浄しておきます。

一度発生した土は細菌が残るため、土壌消毒をしましょう。

うどんこ病

葉や茎の表面が白い粉をまぶしたようなカビが発生します。

うどんこ病が発生しないように風通しをよくし、もし、発生したら株は抜き取ります。

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褐色腐敗病

カビが原因で、葉や茎、果実に褐色の小さな斑点ができます。

水はけをよくして予防し、発症した部位は取り除きましょう。

半身萎凋病

葉の半分が黄色に変色し、萎縮したように枯れます。

土の中の病原菌が原因なので、発生した葉は取り除きましょう。

ヨトウムシ

ヨトウムシ

夜間に活動し、葉を食い荒らします。もし見つけたら捕殺しましょう。

アザミウマ

葉、がく、果皮を食害し、カスリ状の傷をつけます。

畑のまわりを除草したり、銀白色のフィルムでマルチをして予防しましょう。

ニジュウヤホシテントウ

ナスにテントウムシダマシ

葉や果皮を食害し、食害されると波状のあとが残りますので、被害を見つけたら、幼虫か成虫を探し、捕殺しましょう。

アブラムシ

アブラムシ

新芽や葉裏に群生して、植物の汁を吸いますので、もし見つけたら筆などで払い落としましょう。

ハダニ

ハダニの被害

葉裏などに群生するごく小さい虫です。植物の汁を吸います。

時々葉を裏まで洗うように水やりして予防します。

もしくは専用薬剤で駆除しましょう。

ホソヘリカメムシ

植物の汁を吸います。見つけたら捕殺するか、薬剤散布して駆除します。

おわりに

この記事では、ナス栽培によくある生育不良と病害虫について紹介しました。

りぐ

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