1.症状と被害
萎凋病と同様に、土の中の病原菌が根から侵入し、茎、根、葉のつけ根などの道管部が病原菌に侵され、薄茶色に変色して葉や茎をしおれさせます。
この時、葉や株の半分だけに症状が現れるので、「半身」と言われます。
しかし、病気が進行すると、やがて症状は全体に広がり道管部は濃い茶色になり、株は枯れてしまいます。
植物によって、葉の黄化、生育不良、茎が茶色く変化するなど、様々な症状が現れます。
萎凋病が、地温の高い時に発病しやすいのに対して、半身萎凋病は初夏から梅雨時、初秋と、22〜25℃の低温時に現れることが多いです。
2.半身萎凋病にかかりやすい野菜・植物一覧
ガーベラ、キキョウ、タラノキ、トマト・ミニトマト・ナス・ベニバナ・ホウズキ、イチゴ、白菜、オクラなど
3.原因と伝染経路
病原菌はバーティシリウム菌と呼ばれる糸状菌です。
きわめて多犯性(ある病原体が複数種のさまざまな植物に対して病害をもたらす性質)が高く、異なった植物の植物間でも伝染します。
この病原菌は土壌中に長い期間生存することが可能で、好適な植物が植えられると根から侵入します。
害虫が根を食害すると、その傷から侵入しやすくなるので害虫にも注意が必要です。
特にナス科の野菜は発症しやすいので注意です。
4.防除・対策
植えつけ前に土壌消毒することが有効で、また、必ず健全な種や苗を使いましょう。
連作を避けるか、イネ科の緑肥作物を輪作に取り入れると、バーティシリウム菌の密度が下がります。
抵抗性品種や接木苗の利用も効果的です。ネギ類の混植も土壌病害を防ぐ効果があります。
ネグサレセンチュウ対策として、マリーゴールドを混植するのも良いです。
ナスでは、果実が着果する頃発症することが多いですが、植えつけ前に土壌消毒するか、抵抗性の高い台木に接木する以外、防除の方法はありません。
5.治療方法【薬剤・農薬】
発病したら
発病した株はすみやかに焼却処分し、多犯性の菌なので一度病気が出たら、種類が違う植物でも安易に連作することは避けましょう。
また、発生した土地で使用した農機具や靴などは、ほかの作物への感染を防ぐためによく洗浄しておきましょう。
効果のある薬剤・農薬
ナスはベンレート水和剤を発生初期に速やかに散布しましょう。
キクやカンナ、ストックなどの草花にはトップジンM水和剤を所定の倍数に希釈してジョウロなどで注ぎましょう。
おわりに
この記事では、半身萎凋病の原因と防除方法について紹介しました。
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