1.症状と被害
ウイルスを病原体とする病気を症状で分類すると次の6つになります。
①萎黄病‥‥茎、葉が黄色に変わる。
②萎縮病‥‥茎、葉が成長せず萎縮、背丈が低く小さくなる。
③モザイク病‥‥葉に緑色の部分が混ざりモザイク状の模様が現れる。
④えそモザイク病・条斑病‥‥茎、葉にえそ性のすじ模様や斑点ができる。
⑤葉巻病‥‥葉が葉巻のようにまくれあがる。
⑥輪紋病‥‥黄色〜黄緑色の輪紋ができる。
もっとも代表的な症状はモザイク状の模様で、多くのウイルスが原因となります。
2.疫病にかかりやすい野菜・植物一覧
アジサイ、グラジオラス、スイートピー、スイセン、ストック、スミレ(パンジー)、大根、ダリア、白菜、ユリ、キュウリ、トマト、ほうれん草、紫蘇、ズッキーニ類など
3.原因と伝染経路
おもに昆虫によるウイルスの伝染が原因となります。
多くのウイルスの中でも、代表的なものは、CMV(キュウリモザイクウイルス)とTSWV(トマト黄化えそウイルス)です。
特にCMVは寄生範囲が広く、39科117種の植物に寄生します。
また、モザイク病を引き起こす一般的な原因としては、アブラムシがあげられます。
アブラムシは病株の汁液を吸うことで感染し、次に健全株の汁液を吸うことでウイルスを媒介してしまいます。
この他に、作業に使った道具(ハサミ等)や人の手に汁液が付着することでの媒介も多いです。
TSMVは、細菌被害が広がっているウイルスで、10科36種の植物に感染します。
アザミウマ(スリップス)によって媒介されます。
4.防除・対処方法
まずは、健全なタネや苗を利用するようにしましょう。
また、媒介するアブラムシ、アザミウマ、コナジラミを植物に寄せつけない工夫(寒冷紗などで全体を覆う、光反射のシルバーマルチを張るなど)をします。
アブラムシがつきやすい野菜であれば、周囲に緑肥作物を育てましょう。
ウイルスを持ったアブラムシはいったん植物を吸汁すると無毒化されます。
5.治療方法
発病したら
ウイルスに一度かかってしまうと治療することはできないので、病株を抜き取り焼却します。
畑の外に持ち出して焼却するのが良いです。
畑に放っておくと病気が周囲の野菜にも蔓延します。
病株を駆除したあと道具は消毒し、手をよく洗うなどの伝染源を絶つ努力も必要です。
効果のある薬剤・農薬
この病気に登録のある薬剤・農薬はありません。
アブラムシなどによるウイルスの伝染によって発病するため、アブラムシなどの害虫を必ず退治しましょう。
アブラムシ防除の薬剤は、周辺の草花も含めて散布します。
チューリップ、パンジー、ユリなどの草花や観葉植物にはオルトランDXを株元に散布し、
ハーブや野菜全般にはベニカマイルドスプレーを散布します。
この記事では、モザイク病の原因と防除方法についてまとめました。
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