1.ヨトウムシの被害
夜が明けて、家庭菜園のキャベツや白菜などを見ると葉脈だけ残して一晩のうちに食い荒らされていることがあります。
これはヨトウムシ類の幼虫などによる被害です。
ヨトウムシ類の成虫は夜行性で、夜間に一ヶ所に数百個の卵を産みつけます。
若い幼虫は群れで行動し、産みつけられた葉を群れで食べます。
成長すると分散していきますが、大きくなってきた幼虫の食欲は凄まじく、葉脈だけを残して全て食害します。
ヨトウムシは窒素過多の状態の方がつきやすいのですが、全くの無肥料でも食害されます。
ネキリムシと同じく、草がなければ野菜を食べます。
ヨトウガは赤に誘引されやすいのが特徴で、少し赤みがかった葉は産卵されやすいです。
2.ヨトウムシが発生しやすい野菜・植物一覧
バラ、クレマチス、ストック、ハボタン、キク、ホウセンカ、ゼラニウム、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、レタス、ネギ、トマトなど
3.ヨトウムシの生態
夜間に活動するので「ヨトウムシ=夜盗虫」と呼ばれます。
ヨトウムシはヨトウガの幼虫のことを指しますが、ハスモンヨトウやシロイチモジヨトウなどヨトウと名がつく虫もヨトウムシと呼ばれます。
野菜につくのは主にヨトウガとハスモンヨトウで、それぞれ発生時期が異なります。
猛暑になると、シロイチモジヨトウが発生しやすくなります。
ヨトウガは年2回の発生があり、サナギの状態で土の中で越冬します。
産卵は葉の裏に塊で産みつけ、孵化するとそのまま葉の裏に群生して食害し、しだいに分散して、昼の間は土中にかくれ、夜間に食害するようになります。
4.ヨトウムシの防除・対策
まずはこまめに葉裏を観察して、産卵されてないか確認しましょう。
卵の段階でしっかり潰して駆除することが一番大事です。
周囲にソルゴーなどの障壁をつくると飛来防止になり、畑の隅に赤い花を植えるのも有効です。
赤色に誘引されるので、野菜の近くに赤っぽいものを置くのはやめましょう。
タバコガと同じで、マリーゴールドなどの黄色い花を株元に植えるとヨトウガの忌避に役立ちます。
クモなどの天敵が多い畑でも発生が抑えられます。
5.ヨトウムシ駆除の方法
発生したら
葉裏に群れている若い幼虫や卵塊はや幼虫を見つけしだい捕殺します。
葉裏に群れている若い幼虫や卵塊は、葉ごと処分します。
茶色や緑色の粒状の糞が残っていたり、穴があいて被害を受けた痕があるのに虫がいない時は、株元の土の中もよく探します。
ヨトウムシは昼間は、葉の裏や、地際や土の中に隠れていて、主に夜間に活動します。
効果のある薬剤・農薬
大きくなった幼虫は薬剤に対する抵抗性をもつため、できるだけ幼虫が小さいうちに薬剤散布で防除します。
該当する植物に登録のある薬剤を葉裏までかかるように全体に散布するか、株元に粒剤タイプの薬剤を散布します。
バラやパンジー、ゼラニウムには、オルトラン水和剤を、
キャベツや白菜、ブロッコリー、枝豆にはオルトラン粒剤、ベニカS乳剤を、
他の野菜類全般やハーブには、ゼンターリ顆粒水和剤、バシレックス水和剤などを散布しましょう。
おわりに
この記事では、ヨトウムシの被害・生態・防除方法などについて紹介しました。
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