1.症状と被害
多くの植物がうどんこ病になり、中でも被害が出やすいのはキュウリなどのウリ科です。
葉や茎に、白い粉のようなカビが生えます。
この病原菌は主に植物の表面で繁殖し、病気の初期から発見しやすい病気です。
茎や葉が奇形になることもあり、ひどくなると黄化して枯れます。
バラでは、栽培していれば必ず発生するといってもよいほどです。
うどん粉をふりかけたように見えるのでこの名前というわけです。
2.うどんこ病にかかりやすい野菜・植物一覧
キク、アジサイ、サルスベリ、イチゴ、ガーベラ、カキ、キク、キュウリ、カボチャ、スイカ、コスモス、ダリア、人参、バラ、ヒマワリ、ベゴニアなど
3.原因と伝染経路
うどんこ病は多くの植物がかかる病気ですが、植物によって病原菌は異なります。
中には、複数の植物に寄生する多犯性のものもあります。
他の多くの糸状菌(カビ)の病気が多湿の状態で繁殖しやすいのに対して、この菌は低湿を好みます。
梅雨と真夏以外の時期に多く発生し、また幹下など日当たりの悪い場所で多く発生します。
うどんこ病の菌は「活物寄生菌」といって生きているものにしか寄生できないため、元気のよい株につきやすいです。
4. 防除・対策方法
ウリ科の野菜(キュウリ、カボチャ、スイカなど)やバラなどを育てる際は、うどんこ病に強い品種があるので、それを選びましょう。
育てる際は、適度な湿度と、日当たりをよくすることが一番の予防になります。
また、畝間にムギを育てたり、草生栽培をしていると出にくくなります。
これは、ムギや雑草の先端には水滴がとどまっていることが多いためです。
飛んできた胞子がムギや雑草の水滴に落ちればバースト(破裂)するので、野菜への感染率は下がります。
そのため、同じウリ科でもネット栽培のキュウリは出やすくて、草の中で育ち地這いスイカは出にくいのです。
ただ、カボチャの葉はスイカよりも高い位置を這うため、感染率は高くなります。
また、うどんこ病は宿主特異性といって寄生できる植物が決まっています。
例えば、キュウリとカボチャの畝が隣同士で、キュウリに感染したのち胞子を飛ばしたとしても、隣にあるカボチャには感染しません。
同じ科の野菜でも系統が異なると寄生できないので、西洋系や伝統品種など、多品種栽培するとリスクが減らせます。
また、うどんこ病はチッ素肥料を施しすぎても病気が発生しやすくなるので、肥料を与える際は、窒素を控えめにカリウムを多めにするとよいです。
5.治療方法【薬剤・農薬】
発病したら
胞子が風によって運ばれて伝染するので、病株は除去し焼却しましょう。
葉に病斑が現れた時は手遅れなので助けることができませんが、それ以上胞子を飛ばさせないよう、うどんこ病にかかった別の植物の葉を持ってきて、病斑部分をはたきます。
ほとんどのうどんこ病には「アンペロマイセス・クイスクアリス」という菌寄生菌がいるので、他のうどんこ病菌を振りかけることで菌寄生菌が増加し、うどんこ病を絶やしてくれます。
効果のある薬剤・農薬
病気が進行し、葉が奇形したり黄変してからではその部分の治療は不可能です。
薬剤はできるだけうっすらとカビが生えた発生初期に使用します。葉の裏まで丁寧に散布します。
イチゴやトマト、キュウリ、ナスにはベニカグリーンVスプレーを、
他の各種野菜やハーブ、草花全般にはベニカマイルドスプレーを散布しましょう。
この記事では、うどんこ病の原因と防除方法について紹介しました。
下記では、他にも野菜の病気や害虫について一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。