枝葉をちゃんと整えることで、日当たりや風通しをよくして、光合成がスムーズに行えるようになり、健全な株を作るためには適切な手入れがとても重要です。
そこで、この記事では、野菜づくりに欠かせない手入れに焦点を当ててまとめています。
摘心とは?摘心について
摘心とは、枝分かれや草丈を調節するために、枝先の芽を摘み取ることです。
野菜によっては整枝作業と同じ場合もあります。
ジャガイモは、一株の総収穫量がほぼ決まっていますので、イモの数を少なくして大きなイモを作るために芽かきをします。
ウリ類は、希望する節位からしっかりとした側枝を出させるために、摘心をします。
また、トマトやキュウリなどのように草丈が高く伸びる野菜は、手の届く高さで主枝を摘心して作業をしやすくします。
ユリ科のニンニクやニラなどは、とう立ちしてきたら花茎を摘み取ります。
花が咲くと養分が花に回り、ニンニクは球根の生長に影響したり、ニラは葉が硬くなってくるからです。
シュンギクやモロヘイヤなどの葉菜類は、収穫を兼ねて主枝を摘心することで、側枝が伸びて収穫量がアップします。
摘葉・摘果
枝が混みすぎると、中まで風や光が通らずに、蒸れて病害虫が発生しやすくなりますので、余分な側枝は適宜摘み取ります。
また、株元近くの古い葉や、勢いのないわき芽、枯れた下葉、老化したり病害虫に侵された葉を取り除き、新しい葉を伸ばすことが必要です。
各野菜に合った草姿に仕立てるために摘葉し、風通しをよくし、株の健全化に役立てましょう。
ナスなどは果実に光を当てると色つやが良くなるので、株の内側の葉を摘んで日当たりを確保します。
果菜類では、果実がなりすぎて株の元気がなくなることがあります。
「株疲れ」という状態で、キュウリの曲がり果は株疲れの分かりやすい例です。
そんな時は摘果して数を制限したり、果実を若どりして株の負担を軽くし、草勢の回復に努めます。
変形果、病果も若いうちに摘果しましょう。
大玉トマトのように、養分を集中させて良い実を作るために摘果をする場合もあります。
整枝・誘引
整枝は、果菜類では枝が込み合わないようにしたり、効率よく果実をつけさせるために、とても重要な作業です。
枝を出す位置と本数を決めて、バランスよく配置します。
果菜類の場合、整枝と摘心は一体の作業です。
主枝と側枝、さらには孫に当たる側枝までを管理し、摘葉、摘花、摘花を確実に行うことで、充実した果実を作ることができます。
野菜の種類や品種によって、花=果実がどの枝にどのようになるかが決まっています。
トマトやキュウリ、ナスなどは、整枝のやり方一つで、品質や収穫量、収穫期間に差が出ます。
それぞれの野菜の特性と収穫量を考慮に入れて、作業を行ってください。
ほとんどの野菜は、支柱を立てただけでは、茎やツルが巻きつかないので、要所を支柱に誘引してやる必要があります。
トマトやナスのように生育に従って、茎が太くなっていくものは、茎と支柱の間にゆとりを持たせて誘引します。
側枝がよく伸びるキュウリやエンドウなどはツルが垂れ下がらないようにしましょう。
おわりに
この記事では、野菜の手入れに欠かせない摘心・整枝・摘葉・摘果・誘引について紹介しました。
野菜を収穫するまでの作業としては他にも、「追肥」「間引き」「土寄せ」「中耕」がとても大切になります。
下記では、そんな「追肥」「間引き」「土寄せ」「中耕」についてまとめています。