野菜を育てる時は、そのままタネをまくのではなく、必ず土を耕してからタネをまきます。
それほど、耕すということは野菜を育てる上でなくてはならない行程です。
「なぜ耕すのか?」ということをしっかり理解することで、耕す際に「よりよく耕す」「上手に耕す」にはどうすれば良いか?を考えるきっかけになるのでしっかり理解しましょう。
土を耕すことの目的は大きく分けて3つあります。
この記事では、畑の土を耕すことの意味、目的についてまとめています。
土を柔らかくする
土を耕す(耕運)と土のかたまりが砕かれて柔らかくなり、種まきや苗の植えつけを楽におこなうことができます。
また、土壌の通気性と透水性が良くなり、作物の根の成長に適した状態になります。
通気性がよくなったことで土壌微生物が活性化し、有機物の分解も進みます。
雨の翌日に耕すのには注意で、水分が多い時に耕すとかえって土を固めてしまいます。
土に空気を含ませたいのにこれでは逆効果で、そんな時は、雨が降った2日後ぐらいに耕すのが良いですね。
反対に乾きすぎてる時に耕すのも良くないので、土がカラカラの時は水をかけ、落ち着いてから畝を作りましょう!
肥料などの成分を馴染ませる
土壌の表面に施した肥料や堆肥、土壌改良資材などが耕運する(耕す)ことで土中の下層部分に肥料が運ばれ、土壌や堆肥、肥料が均一に混ぜ合わされます。
そうすることで、肥料や堆肥、土壌改良資材の成分が土壌と馴染み、土壌粒子に吸着されやすくなります。
作土層をつくる
根菜類などは根が30cm以上になるものもあります。
耕運していないと固い土に当たり、枝根の原因になってしまいます。
育てる野菜にもよりますが、15cm以上は耕すように心がけましょう。
深く耕せば良いというわけではないので注意です。
深さ30cm以上になると嫌気性微生物が生息している可能性が高くなりますので、そこに新鮮な有機物が入るとメタンガスが発生し、野菜の根を傷つけることになります。
まとめ
①土を柔らかくする(ただし、土中の水分量によってはかえって固くなることも)
②肥料などの成分を馴染ませる
③作土層を作る
④耕す深さは15cm以上、平均20〜30cm程度
ただし、闇雲に何度も耕すのには注意で、耕しすぎると土壌に空気が過剰に投入されて、土壌の乾燥が引き起こってしまいます。
何度も野菜作りに挑戦していく中で、土中の様子(水分量、空気量がどれくらい含まれているか)を感覚で理解して、耕すことができるようになると上手な野菜ができるようになります。
耕す事ができれば、次は種まき・植えつけです。
種まきや植えつけもしっかり目的や手順を理解することでよりよい野菜づくりになります。