1.ニラの栽培について
ニラは、中国原産で東アジアの各地に自生していますが、ヨーロッパではほとんど栽培されていません。
栽培は簡単で暑さ、寒さに強く、一年中育てることができます。
一度植えつけると、病害虫も少ないので手間がかからず、4〜5年は収穫可能です。
害虫忌避の効果があり、どの野菜のコンパニオンプランツとしても適しています。
積雪地方でも越冬するので、菜園の片隅など、場所を取らずに栽培することができます。
2.ニラの品種
・テンダーポール(花ニラ。とう立ちした花茎を食用とする。香り穏やか)
・広巾(葉は幅広で肉厚。生育適温が広いので栽培しやすい)
・グリーンロード(大葉ニラ。とう立ちすれば花ニラに。)
・ワイドグリーン(大葉ニラ。生育期間が短く、繰り返し収穫可能。比較的病気に強い。)
3.ニラの育て方
土づくり
半日日陰の土壌でも育ち、また、酸性土壌を嫌いますが、それほど土壌は選ばないので、どこでも育てることができるのが強みです。
非常に根が強いので、水分が少なくなると葉が黄色くなってしまいますが、水のやりすぎに気をつけましょう。
手順としては、まず、植えつけの2週間前に苦土石灰を少しまき、土壌改良をおこないます。
1週間前には、完熟堆肥、化成肥料を畑に混ぜ、よく耕してから畝を作ります。
そのあと、畝幅60cm、高さは10cmの畝をつくりましょう。
土壌の適正酸度はpH6.0〜7.0です。
種まき・植えつけ
種をまいて育てる場合は、10cm間隔に空き缶などで深さ0.5〜1cmの凹みを作って、8〜10粒ずつ種をまきます。
土をほぐしながら覆土し、表面を軽くたたき、たっぷりと水を与えます。
苗を植えつける場合は、株間25〜30cmで、少し深めに植え穴を掘ります。
植え穴に水やりをして、水が引いたら苗を植えつけ、株元の土を軽く押させて安定させます。
中間地で5月中旬〜6月中旬、気温が15℃〜20℃になったころが適期です。
植えつけた年は収穫せず株の生育に努めることで次年度以降の収穫量が増えますよ。
もちろん、初年度から収穫もできますので、その辺りは好みで調整してください。
また、株分けした苗で増やすこともできます。
管理
1回目の追肥・土寄せ
植えつけ後、本葉(細い1本)が10枚になったころ、株元に化成肥料(8-8-8)30g/㎡をまき、土寄せをおこないます。
2回目以降の追肥・土寄せ
1回目の1ヶ月後に再度追肥と土寄せをします。やり方は1回目と同じです。
植えつけの翌年6月以降に収穫しますが、その収穫後に化成肥料(8-8-8)30g/㎡を株元にまき、土寄せすることで、新しい葉が再生され何回か収穫することができます。
除草・株分け
夏場は雑草と混じってわからなくなるので、こまめな除草を心がけましょう。
また、年数が経つと(4〜5年ほど)葉の品質が悪くなるので、株分けを行います。
9月ごろに掘り上げ、株が分かれている部分から分けます。
根は無理に引っ張らないで、ハサミで切って分けましょう。数株に分けたら15〜20cm間隔に植えつけていきます。
収穫
草丈が20〜30cm以上に伸びたら、根元から3〜5cm残して刈り取りましょう。
株を育てるために翌年から収穫しますが、家庭菜園ではそこまで気にせず収穫しても良いです。
10月ごろまで収穫することができますが、葉の幅が細くなってきたら収穫をやめて、翌年まで待ちましょう。
花ニラを収穫する場合は、つぼみを包んでいる薄皮が開く前に収穫します。
4.ニラのよくある生育不良|おもな病害虫
下記にニラ栽培のよくある生育不良と病害虫についてまとめています。
5.まとめ
①過湿に弱いので水はけのよい場所を確保し、酸性土壌を避ける。
②3年くらいで掘り起こして株分けする。
③畑の端に植えれば、土どめにもなる。
④収穫したら、新芽再生のために追肥をする。
⑤とう立ちしてきたら早めに摘み取る。
この記事では、ニラの基本的な育て方についてまとめました。
下記では、花ニラとニラの違いや質の良いニラを育てるコツなどをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。