1.トマト栽培について
トマトは、温帯では一年生植物として栽培されていて、原産地(アンデスの高原地帯)の気候を反映して、強い光を必要としながら、比較的冷涼で昼と夜の温度差が大きく、乾燥した条件を好みます。
そのため、日当たりと水はけの良い畑を好みます。
真っ赤に完熟した果実にはβ−カロテンとリコピンが多く含まれており、代表的な緑黄色野菜として親しまれ、私たちの健康を支えています。
2.トマトの品種
病気に強く育てやすいものは、瑞光102(ずいこう)、豊福、サターン、協力米寿などです。
3.トマトの育て方
土作り
前年にトマト、ナス、ピーマン、じゃがいもなどのナス科を植えた畑は連作になるので避けましょう。
トマトの根は深さ1m、幅2〜3mに伸びるので、深く耕すことと水はけをよくすることが大切です。
まず、植えつけの2週間前に苦土石灰を畑全面に散布し、よく耕します。
次に、1週間前に、畝幅を120cmとし、堆肥、化成肥料、ヨウリンを畝全面に散布し、よく耕し、高さ20cmの畝をつくり、マルチをして地温を上昇させておきましょう。
土壌の適正酸度はpH6.0〜7.0です。
種まき・植えつけ
市販苗は一般的に小さめ(9mmポット)なので、購入してから12cmポットに移し、一番花が咲き始めるまで養生するとよくトマトが育ちます。
植えつけは4月下旬〜5月上旬が適期で、株間45〜50cm、条間60cmの2条植えとします。
マルチに印をつけ、移植ごてで植え穴を掘り、水をたっぷりと注ぎ、水が引いてから植えつけます。
花房を通路側に向けて植えつけると、管理や収穫が楽になります。
種まきをする場合、種まきから植えつけ適期の苗を育てるのに70日間もかかってしまいます。
逆算すると2月中旬〜下旬の低温期に種まきをしなければならず、保温などの管理が大変です。
なので家庭菜園の場合、苗を購入して育てることが一般的です。
管理
わき芽かき
苗が活着し、葉や茎の生長に勢いが出てくると、葉のつけ根から盛んにわき芽が出てきます。
このわき芽は全て摘み取り、主枝一本にのみ果実を着果させる1本仕立てで育てましょう。
トマトの基本的な仕立て方や変わった仕立て方に関しては下記に詳しくまとめています。
わき芽を摘み取る際は、ハサミではなく晴れた日に手でおこなうようにしましょう。
モザイク病などのウイルスによる病害の蔓延を防ぐことができます。
誘引
花房直下のわき芽を摘み取ったあとは、支柱に茎を8の字状に縛りましょう。
わき芽かきと誘引は毎週1回はおこないましょう。
どこまで実をならせるかですが、目安としては6つほど残すと良いです。
2mほどに育ってきたら、一番上の花房の上2枚の葉を残し、その上を摘心しましょう。
誘引する箇所は花房に触れる心配のない、花房の上か下の葉のつけ根が良いです。
ホルモン処理
第一花房の着果は、つるぼけ防止のため必ず成功させなければなりません。
一般に、第一花房の開花時期は低温期なので、トマトトーンは100倍に薄めたものを散布し、着果を促します。
ホルモン処理は、ひとつは花房の2〜3花が開花した時期に、花房全体に散布します。
霧吹きを使ってムラなく散布しましょう。
追肥
第一花房の果実がピンポン玉の大きさになったころと、第三花房の果実がピンポン玉の大きさになった時期の2回をめどに追肥をおこない、そのあとは生育を見ながら行います。
マルチをめくり、通路側に化成肥料を散布し、軽く土を寄せます。
収穫
開花後50日〜55日で着色し、収穫期となります。
十分赤く熟したものから順番にハサミで取って収穫しましょう。
色づいた実は、鳥の鳥害にあう場合も多いので、防鳥ネットをかけておくと良いです。
4.よくある生育不良|おもな病害虫
枯れたり黒ずんだりする生育不良や病害虫については下記を参考にしてください。
5.まとめ
①摘心するまでのわき芽は全て取り除き、一本仕立てにする。
②連作を避ける。接木苗も有効
③植え付け時期は苗が初めて開花する頃。それまではポットで養生する。
④花房を通路に向けて植えつけ、作業を楽にする。
この記事では、トマトの基本的な育て方をまとめました。
トマトの苗の選び方や、摘心、誘引、芽かきに関してなどトマトをうまく育てるためのコツは下記にまとめています。
細かなテクニックを駆使して手入れし、良いトマトを収穫できるようにしましょう。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。