1.ハヤトウリの栽培について
ハヤトウリは、中央アメリカ原産で、日本では鹿児島や沖縄で盛んに栽培されており、大正時代に鹿児島に導入されたため、「薩摩隼人」にちなんでハヤトウリと名づけられました。
寒さには弱いものの、土壌適応性は高く、栽培は容易です。
棚づくりで栽培している例がよく見られますが、きわめて生育旺盛で、家全体を覆うような勢いで生長しています。
雌雄異花の植物で、雌花が着生するのは9月下旬ごろからで、一株から200個以上の果実を収穫できます。
果皮の色によって白色種と緑色種に分かれ、白色種は一般に食味が良いとされており、緑色種は草勢が旺盛で多収という特徴です。
2.ハヤトウリの品種
白色種と緑色種の分類以外は、特に品種はありません。
3.ハヤトウリの育て方
土づくり
日当たりの良い場所を好み、つるが4〜5mにも伸びるので、栽培には広い空間が必要です。
フェンスに絡ませるなどして、タテの空間を活用しましょう。
まず、植えつけの2週間前に苦土石灰を散布し、よく耕しておきます。
つるが旺盛に伸びあっという間に繁ってしまうので、4m四方の場所を確保します。
植えつける場所に、直径30cm、深さ30cmの穴を掘り、堆肥2kg、化成肥料をひと握り散布し、土を戻し、周りから円形に土を寄せ、鞍つきとします。
土壌の適正酸度はpH5.5〜6.5です。
種植え・植えつけ
5月中旬に植えつけて、10月中旬から収穫となり、暖地では4月中旬から1ヶ月ほどが適期です。
ハヤトウリの完熟果実を種球として植え、果実が完全に埋まるくらいの植え穴を掘り、たっぷりと水を注ぎ、水が引いたら植えつけます。
耐寒性が低いため、寒冷地での栽培は適しません。
管理
摘心
孫づるに雌花が着花するので、つるが伸びてきたらつるの先端を摘心し、子づるを出します。
支柱立て・誘引
太めの支柱をしっかり立てて、高さ2mほどの棚をつくり、誘引します。
または、棚に30cm×30cmくらいの目の園芸ネットを被せて誘引する方法があります。
追肥・土寄せ
つるが旺盛に伸びてきたら、化成肥料(8-8-8)30g/㎡を散布し、株元に土寄せします。
1回目が植えつけから約30日後で、そこから2週間に一度を目安に繰り返していきます。
収穫
開花後20日〜30日の若い果実を切り取ります。
霜に弱いので、霜が降りる前に収穫しましょう。
切り取った実は、ポリ袋に入れて冷蔵すれば1ヶ月ほど保存できます。
次年度の種子には開花後50日程度の完熟果実を使います。
4.ハヤトウリのよくある生育不良|おもな病害虫
特にかかりやすい病気はなく、また、虫害もほとんどないので、農薬を使わずに栽培できます。
5.まとめ
①つるが生育旺盛なので棚づくりにする。
②完熟堆肥を翌年まで保存して植えつけに使う。
③植えつけは果実はそのまま土に埋める。
④1株で十分な収穫量が得られる。
⑤寒さに弱いので、寒冷地での栽培は困難。
この記事では、ハヤトウリの育て方・栽培方法について紹介しました。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。
鞍つき畝:1株ごとに作る円形の畝。