トマトの仕立て方、育てワザ|概要
比較的涼しくて乾燥した環境を好むトマトは、日本の高温多湿な夏が苦手です。
その点で、わき芽をすべて摘み取った主枝一本仕立ては、茎葉が込み合わず風通しがよくなるので、多湿を嫌うトマト栽培に適しています。
大玉をはじめ、中玉やミニトマトにも向いた基本的な仕立て方です。
わき芽をとらずにいると、養分が分散して良い実がつきにくくなるので、定期的にわき芽取りをします。
わき芽は本葉のつけ根から伸びる芽のことで、わき芽とりは見つけやすいので、初心者でも難しくありません。
栽培後半になり、主枝が支柱の先端まで伸びてきたら、摘心して伸びを止めて、養分を実に集中させましょう。
雨などで土壌水分が急激に変化すると、裂果や病気の原因になります。
できれば、株の上をフィルムなどで覆って雨よけ栽培するのが好ましいです。
追肥に関して、追肥を急ぐと茎葉が茂りすぎて花や実のつきが悪くなることがあるので、最初の追肥は1段目の果実がピンポン玉大になったときです。
中玉やミニトマトの場合は、1段目が着果したときに、株元に施肥しましょう。
2回目以降は、2〜3週間おきに行います。
肥料はおもに根の先端部から吸収されるので、畝の両側に肥料をまいて土寄せするほか、株のまわりに支柱などを突き刺してあけた穴に肥料をまきます。
○すべてのわき芽をかいて、主枝1本にする
○1番果がピンポン玉大になったら追肥を開始する。以後、2〜3週間ごとの追肥を続ける
○主枝が支柱の高さに届いたら、摘心する
○裂果を防ぐため、雨よけ栽培が望ましい
トマトの一本仕立て|方法
①わき芽はすべてかき取る
葉のつけ根から伸びるわき芽を、1週間に1度を目安に、小さいうちに手で摘み取ります。
芽かきは、株内に水分が十分にある午前中におこないましょう。
午後になると水分が少なくなるため、ポキッと折れにくくなります。
ハサミの刃にウイルスなどがついていることがあるので、手で摘み取るのがコツです。
②第一花房に実をならせる
第一花房に確実に着果させないと、茎葉が茂るばかりで実がつかない「過繁茂」になりやすいです。
第一花房の開花時は気温が低くて受粉しにくいので、手で花房を揺らしたり、主枝を軽くたたいたりして、受粉を促します。
ホルモン剤を使う場合も、こうした振動受粉とセットで行うと空洞果ができにくくなります。
花や実は、花房の下3枚の葉から養分を得ていますので、風通しをよくするために、それより下の葉は取りましょう。
特に黄色くなった下葉は適宜切り取ります。
③1果房あたり4〜5個に摘果
大玉の場合、1果房当たり4〜5個に摘果すると、大きさのそろった実ができます。
ただし、少々不揃いでもよければ、摘果しなくても問題ありません。
ミニトマトの場合は摘果しなくてもあまり影響はありません。
④支柱の高さで主枝を摘心
主枝が支柱の先端まで伸びたころ、5〜6段目の花房の上に2枚の葉をつけてその先を切り取ります。(摘心)
こうすることで、茎葉へ行く養分を実に回します。
以上で、基本的な仕立て方は完了です。
正しく仕立てて上手にトマトを育てましょう。
また、トマトの仕立て方は様々なものがあり、状況や目的に応じて臨機応変に変えていくことをオススメします。
おわりに
この記事では、トマトの基本的な仕立て方についてまとめました。
下記では、トマトの基本的な育て方やよくある生育不良・病害虫などをまとめています。
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