生育不良|病害虫

ジャガイモ栽培の生育不良・病害虫|割れる、芽が出ない、ガサガサなど

1.よくある生育不良

ジャガイモが割れる原因

ジャガイモの生育不良

害虫や病原菌以外の原因で起こる生理障害です。

生育中の急激な土壌水分の変化や高温によって、二次成長が起こって割れたりして奇形化します。

こぶが生じたり、亀裂が入って割れるなどの症状が特徴です。

適期に収穫することと、高畝を保って水はけをよくすることで防ぎましょう。

皮がガサガサの原因

原因はいくつかありますが、一つは、そうか病です。

表面に褐色の斑点ができてかさぶた状になるのが典型的な症状です。

これは、石灰が多いアルカリ性の土で発生しやすいです。

土のpHによって施す石灰の量が変わりますので、植えつけ前にpH調整しましょう。

土壌の適正酸度はpH5.0〜6.5です。

もう一つは、土壌の水分過多で、皮がコルク状で見た目がよくありません。

高畝にして水はけのよい畑をつくりましょう。

穴があく

ハリガネムシネキリムシの食害です。

ハリガネムシやネキリムシなどが多く発生する畑の場合は、植えつけ前に、対応する粒剤を土に混ぜて、植えつけましょう。

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小さい実ができる

ジャガイモの実が小さくなる

品種によって身がつきやすいものがあります。

従来よく作られていた「男爵」「メークイン」は、東北以南ではめったに実をつけることはありません。

しかし、「キタアカリ」「インカのめざめ」などのような実ができやすい品種が登場し、実をつけることはさほど珍しいことではなくなってきました。

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また、夏が涼しいと実をつけやすいです。

秋植えジャガイモが発芽しない

ジャガイモの発芽

秋植えのジャガイモは春植えよりも難しいです。

じゃがいもは涼しい気候が好きなのに、9月ごろのまだ暑い時期に植えつけるので、種イモが腐りやすくなります。

まずは品種選びです。秋に植えつけることができる「出島」「ニシユタカ」「アンデス赤」などの品種にします。「男爵」や「メークイン」は避けましょう。

できれば、種イモはSサイズの小ぶりなものを選び、切らずに植えつけます。

Mサイズ以上の時は「じゃがいもシリカ」をまぶして乾燥させ、切り口を保護します。

植えつけは雨の前後を避け、午前中の気温の低いうちにおこないます。

しだいに涼しくなるので、発芽すればあとは順調に育ちます。

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ジャガイモの葉に黒い斑点ができる

疫病の症状で、春からの栽培では、6月ごろに発生しやすい病気です。

早めに薬剤を散布して駆除しておいた方が安心です。

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トマトにも伝染しやすいので注意しましょう。

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葉が茶色になる

早すぎる時期にジャガイモの芽が伸びると、遅霜の被害にあうことがあります。

遅霜にあうと、ジャガイモの葉が凍害で茶色く枯れたようになり、生育が遅れることがあります。

遅霜の心配がある時は、ジャガイモの芽に土寄せをして、土の中に隠しおくと、被害を防ぐことができます。

普段から霜が降りたときの朝の最低気温をチェックしておくと、気象情報で翌朝の予想最低気温を知れば、遅霜の可能性が分かるようになります。

新芽の先が縮れる

アブラムシなどにより、ウイルス病が発生していると考えられます。

病気になった株は、他に伝染しないように早めに処分しましょう。

媒介するアブラムシの防除をおこない、こまめに予防します。

イモが緑色になる

イモが地表に露出して日に当たると緑色になります。

緑色の部分にはソラニンという有毒な成分が含まれていてえぐみがあるので、食べない方が良いでしょう。

緑化を防ぐには、株元への丁寧な土寄せで畝を高く保つことです。

2.おもな病害虫

ニジュウヤホシテントウ

テントウムシダマシ

ニジュウヤホシテントウはテントウムシダマシとも呼ばれる全体が橙色でたくさんの黒い斑点がある丸い甲虫です。

幼虫も成虫も葉や実を食害し、被害を受けた後は波模様が残ります。

害虫を見つけしだい、捕らえて処分します。

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また、ニジュウヤホシテントウはナス科の植物が大好きで、近くにナスを植えているとナスを食べてしまうので注意しましょう。

ヨトウムシ

ヨトウムシの生態

ヨトウムシは幼虫が昼間は土の中に潜み、夜間活動して葉を食害します。

被害を見つけたら根元の土を掘り、探して処分するか、夜間活動しているところを捕らえて処分します。

モザイク病

モザイク病は葉に濃淡がついてモザイク状になったり葉が縮れたりします。

対策として国営検査合格の種イモを選んで植えましょう。

園芸店などで購入する種イモは国営検査合格ものがほとんどです。

また、媒介するアブラムシを駆除しましょう。

疫病(えきびょう)

気温が23℃〜24℃以上になり、降雨が続くと大敵の疫病が発生します。

初めは葉に灰緑色、水浸状の病斑が現われ、やがて急速に広がり、霜のようなカビが生じます。

ひどくなると葉にも広がり、やがて全体が黒くなり、枯死します。

じゃがいもでは、毎年、必ずと言っていいほど疫病が発生し、イモの肥大を損ね、貯蔵力を低くしてしまいます。

発生初期に注意し、おくれずに2〜3回、薬剤散布をすると被害をかなり減らすことができます。

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この病気はトマトにも発生し、大きな被害を及ぼすので、トマトを近くに植えないこと、近くにあれば同時に薬剤散布をしておくことが大切です。

秋植えのじゃがいもにも発生するので防除に十分注意しましょう。

そうか病

そうか病になるとイモの表面に病斑が現われ、やがて株全体が腐敗します。

石灰をまきすぎないようにし、殺菌消毒された種イモを植えつけましょう。

おわりに

この記事では、ジャガイモの生育不良と病害虫について紹介しました。

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