1.高畝栽培
効果
ジャガイモは湿気に弱く、高畝にすると湿害を防止できます。
水はけの悪い畑に向いた植えつけ方法です。
高畝植えでは逆さ植えと同じように芽が出るのが遅れますが、根の伸びる範囲が広くなります。
日当たりもよくなるため、その後の生育は、普通栽培より旺盛になります。
また、選ばれた強い芽だけが伸長するため、芽の本数が減り、芽かきの手間が省けます。
ただし、芽数が多い場合は、強い芽を3〜4本残してかきとります。
植え方
畝の高さは、普通栽培の2倍の30cmとします。
そして、畝の中央に、普通栽培より深い15〜20cmの植え溝を掘り、種イモは株間30cmで植えつけていきます。
ジャガイモは、イモに光が当たって緑色になると、チャコニンやソラニンなど有毒成分が生成されます。
土寄せには、イモを遮光してこれらの成分の生成を防ぐ目的もあります。
高畝栽培では、イモは深い位置につき、光が当たる心配がないため、土寄せはほとんど必要ありません。
湿害の心配が少ないため、地上部が完全に古死し、茎のあった部分がやや凹んだ時期に収穫します。
普通栽培で収穫適期とされる葉の黄化期は、本来は収穫にやや早いので、地上部が完全に枯死しイモが完熟になった時に収穫しましょう。
こうするとイモの日もちが良く、上手に保存すると、次の年の植えつけ時期まで利用できます。
2.深溝植え
効果
ジャガイモ栽培では、有毒なチャコニンやソラニンを生産させないため、土寄せをして遮光します。
深溝植えでは、あらかじめ掘った溝に種イモを植えつけることで、土寄せを省力化します。
ただし、溝に植えつけるため、水はけの良い畑に向いた植えつけ方法です。
溝に植えつけられるため、凍霜害を受けにくく、普通栽培よりやや早く植えつけることができます。
また、乾燥しにくいため、雨の少ない年にも有効な栽培方法です。
植え方
深溝植えをする場合、植え溝に雨水が流れ込まないよう、事前に畑の周囲に、深さ20cm×幅20cm以上の溝を掘っておきます。
種イモは、普通栽培と同じように、浴光催芽し、へそを切って、縦に切り分けて、乾燥させてカルスを形成させます。
株間30cmで種イモをおき、イモが隠れる程度に薄く土をかけます。
土の上に茎葉が伸長してきたら、生長に合わせ、溝のまわりから、土を穴に戻すようにかけます。
芽数が多い場合は、芽かきをします。
2回目の土寄せでは、地表と同じ高さか、やや土を盛った状態にします。
茎葉が黄化したら、イモを成熟させるため収穫2〜3日前に地上部を切り取ります。
イモは、普通栽培より深い位置につくので、傷つけないように注意し、スコップやクワなどで掘り上げます。
3.超浅植え
効果
種イモを土に埋めず、土寄せもまったく行わない栽培方法です。
種イモは畝の上に置き、黒いポリマルチを張り遮光して育てます。
ジャガイモのイモの部分は、じつは茎が肥大したものです。
ジャガイモは、地中より地表の方が生長が盛んになりますから、超浅植えでは、ストロンが盛んに伸び、先端にイモがつきます。
このため、収穫量は普通栽培の約1.5倍になります。
植え方
畝は、マルチの幅に合わせて準備します。
幅90cmのマルチを使用する場合、マルチの裾がしっかり土の中に埋まるように、畝幅70cmとします。
種イモは、普通栽培と同じように浴光催芽させ、切り分けておきます。
植えつけは、芽の部分が上(普通栽培)、下(逆さ植え)のどちらも可能ですが、逆さ植えの方が旺盛に生育します。
畝の表面に、株間30cmで種イモを押しつけるように並べ、その上に黒マルチを張ります。
10日ほどすると、芽が伸長してマルチが盛り上がってくるので、マルチを破って芽を外に出します。
その後の管理は全く不要で、収穫は、葉が黄化したらおこないます。
イモが成熟するように収穫の2〜3日前に地上部を切り取り、マルチは収穫当日に外します。
イモは半分程度が土に埋まり、地表にゴロゴロしていますので、掘り上げる必要はなく、拾い集めて収穫します。
おわりに
この記事では、ジャガイモを上手に育てる方法を3つ紹介しました。
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