1.ミズナの栽培について
水菜(ミズナ)は、京都が原産地だと考えられている漬け菜の一種で、水で育つと言われるほど水分を必要とします。
葉の深い切れ込みと、葉先が尖っているのが特徴で、分枝性が強く、生長すると5kg前後の大株になります。
2.ミズナの品種について
小株どりと大株どりの品種がありますのでしっかり確認しましょう。
①京しぐれ(小株どり、葉軸が細くて白く、低温期でも生長)
②千筋京菜(小株どり、寒さに強く、独特の香りと歯触り)
③広茎京菜(大株どり、葉の切れ込みが浅く、広い葉幅)
④中生白茎千筋京水菜(大株どり、分枝が旺盛で耐寒性が強い。晩生種がある)
⑤紅法師(赤紫色の水菜、早生、アントシアニンを多く含む)
3.ミズナの育て方
土作り
小株どり、大株どりともに種まきの2週間前に苦土石灰、1週間前に完熟堆肥と化成肥料を施し、鍬などでよく混ぜながら耕します。
畝幅70cm、高さ5〜10cmの畝を立てましょう。
泥はね防止でマルチをすることをオススメします。
土壌の適正酸度はpH5.5〜6.5です。
酸性土壌になると、根コブ病が出やすくなるので注意です。石灰をしっかり入れて中和しましょう。
また、肥料が多すぎると徒長します。
種まき・植えつけ
本来は冷涼な気候の秋から冬が栽培の適期で、生育適温は15℃〜25℃なので、9月の秋まきか4月上旬の春まきがオススメです。
小株どりでは、株間15cm、条間15cmの5条まきとし、直径4〜5cm、深さ1cmの穴をあけ、1穴当たり5粒の種をまき、覆土して水やりします。
中株または大株どりでは、株間30cm、条間45cmの2条千鳥まきとして、穴の大きさやまく種の量は小株どりに準じて行います。
春まきの場合、無理な早まきをすると、低温によりトウ立ちして花を咲かせ、一方、まき遅れると温度が高くなって害虫が多くなり被害がひどくなります。
秋まきの場合、無理な早まきをすると、温度がまだ高く、害虫の被害が多くなります。
遅くなりすぎると十分に生長しないうちに生育が止まります。
水菜は好光性種子で、種も小さいので、深くかけ過ぎないようにしましょう。
浅く覆土することがポイントで、種まき後に、寒冷紗をかけると発芽が揃い、防虫効果があります。
管理
間引き
小株どり、本葉が出始めたら1株あたり3本とし、本葉が3枚のころ2本に間引きします。
中〜大株どりでは、さらに本葉が5枚の頃1本残して間引きします。
追肥・水やり
2回目の間引きのとき、化成肥料を条間に追肥し、土とよく混ぜます。
草丈が20cmを超えてからの水やりは、葉にかけないように株元に与えましょう。
なお、収穫前に葉色が薄い時は、市販の液肥を与えると葉色がよくなります。
収穫
小株どりでは、草丈25cm〜30cmになったものから株をまとめて株元を露出させ、ハサミなどで切り取ります。
中〜大株どりは、適当な株張りのとき同様に収穫し、収穫後の根は土中に残さないように抜き取りましょう。
4.よくある生育不良とおもな病害虫
よくある生育不良には「葉先が茶色になる」「大株に育たない」などがあります。
また、病害虫には「ベト病」「アブラムシ」「ハダニ」「アオムシ」「カブラハバチ」などの被害があります。
下記にミズナの生育不良|病害虫についてまとめていますので参考にしてください。
5.まとめ
①有機物を与えて地力の低下を防ぐ
②水やりをするときは、ムラなく均等に。
③20cm以上になったら葉先ではなく株元に水やりをする。
④暑い時期の栽培は株間を広めにとる
⑤追肥は株の生長を見ながらおこなう
⑥低温期の栽培はべたがけによる保温が有効
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方や栽培方法についてまとめていますのでぜひこちらもあわせて参考にしてください。