スイカの切り戻し&つる回し仕立て|概要
旺盛に伸びるスイカのツルを整理して省スペースで育てられることと、収穫後にツルを切りもどして(切り詰める)、2度収穫できることが特徴の仕立て方です。
4本に仕立てた子づるを、株を中心に円を描くように配置します。
4本の子づるの先をそろえて並べると着果節の位置がそろうので、人工受粉などの管理がしやすくなります。
1回目の収穫後にツルを切り戻すことで、栽培スペースを広げずに、質の良い果実が再び収穫できます。
○通常の半分程度のスペースで育てることができる
○ツルの向きや先端の位置をそろえることで開花の位置がそろい、人工授粉などの作業がしやすくなる
○1回目の収穫後にツルを切り戻すことで、2回目も質の良い果実がとれる
スイカの切り戻し&つる回し仕立て|方法
畝(4本仕立て):畝幅80cm、株間80cm
資材:ポリマルチ、敷きワラ
①親づるを摘心後、子づる4本に整枝する
基本の仕立ての整枝と同様、本葉6〜7枚のとき親づるを摘心します。
子づるが30cmほどに伸びたら、勢いの良いもの4本に整枝し、つる先を同じ方向に並べておきます。
②つる回し
子づるが約1mになったら、4本のツルを引き戻して、半円を描くように回してつる先を揃えます。
着果させる予定の3番雌花のつぼみがアズキ大になるまでに、株元を中心に「の」の字を描くようにつるを配置します。
幼果が傷むので、着果後のつる回しはしません。
③孫づるの管理、人工授粉、敷きワラ
着果節までの孫づるを摘み取り、各つるの3〜4番雌花に人工受粉し、着果後の孫づるは放任し、果実のまわりを中心に株の下にワラを敷きます。
④摘果、追肥、1回目の収穫
第1果が鶏卵大になったら、つるの先に追肥し、果実がテニスボール大になったら、1株当たり大玉は2個、小玉が3個に摘果します。
品種ごとの登熟期間で収穫します。
つる先を見れば生育診断ができます。
つる先が軽く上を向いていれば順調ですが、つるが太く、先端が鎌首を持ち上げたように立ち上がっているのは窒素過多のサインです。
反対につるが細く地面に寝ているのは肥料不足なので、すぐに追肥をおこないましょう。
⑤切り戻し、追肥
1回目の収穫後、4本の子づるかを株元から50cmのところで切り戻し、つるが伸びるスペースに追肥します。
株元の近くの葉が傷んでいたら切り取ってすっきりさせます。
⑥つる回し
新しく伸びた孫づるの中から、元気の良いものを選んで4本に整枝します。
着果予定の1〜2番果(おおむね5〜12節)が咲く前につるを引き戻して、再び「の」の字を描くように配置します。
⑦人工受粉、摘果、2回目の収穫
孫づる1〜2番雌花が開花したら人工受粉で着果させます。
その後の敷きワラ、追肥、摘果、収穫などの手順は1回目と同じです。
おわりに
この記事では、スイカの切り戻し&つる回し栽培についてまとめました。
上手な植え方、仕立て方などについては下記を参考にしてください。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。