1.スイカ栽培について
スイカの原産地はアフリカのカラハリ砂漠周辺とされ、高温と乾燥、強い光を好むので、日当たりの良い場所で育てます。
スイカの着果率を向上させるためには、十分な日当たりと水はけのよさが必要なのです。
連作は禁物で、低温伸長性や土壌伝染病害に対する抵抗性を強めるため、接木栽培が普通になっており、販売されている苗も接木苗がほとんどです。
2.スイカの品種について
品種は果実の大きさによって大玉種(5〜8kg)、小玉種(1.5〜3kg)に分けられていて、糖度や食味、日もちなどの観点から様々な品種があります。
初めてスイカを栽培するなら、小玉種がオススメで、大玉種に比べて断然作りやすいです。
整枝しないでほぼ放任でも、ある程度の収穫を望めますし、収穫までの日数が短くつくりやすいです。
また、苗を購入の際には病気に強い接木苗を選ぶようにしましょう。
大玉品種
①夏武輝【かぶき】(低温でも花粉量多く着果しやすい)
②金山【きんざん】(縞皮で紅肉。露地栽培では早ければ開花後30日ごろから収穫できる)
③紅まくら(ラグビーボール型、空洞が少なく食味が良い)
④ゴールデン旭都【きょくと】(クリーム色のような黄肉)
小玉品種
3.スイカの栽培方法
土作り
スイカは連作を嫌いますので、同じ場所を避けて5年くらい間隔のあけた場所で栽培しましょう。
スイカは、比較的根っこの張りが浅いため、深く耕すことによって根をより深く張らせ、養水分の吸収を高めます。
まず、一株あたり2m×2mの畑を準備し、植えつけの2週間前までに苦土石灰を散布してよく耕し、その後堆肥、化成肥料、ヨウリンを散布し、鞍つき畝を作りましょう。
リン酸は果実の品質をよくするので多めに耕しますが、窒素はつるぼけを防止するために少なめにしましょう。
適正な土壌酸度はpH5.0〜6.5です。
植えつけ
植えつけ適期は4月下旬〜5月上旬(本葉が4〜5枚の頃)、中間地や暖地ではあまり変わりませんが、寒冷地は適期が1ヶ月遅れます。
鞍つきの頂上に植え穴を掘り、たっぷり水を注ぎ、水が引いたら苗を植えつけて、株元を軽くおさえます。
市販の接木苗を植えつける場合は、植えつけの直前に購入し、もし老化した苗を購入した場合は、定植後の生育が悪くなるので、早めに植えつけます。
内部が30℃を超えないように、活着するまでトンネルまたはホットキャップで被覆すると良いです。
管理
敷きワラ
植えつけが終わったら、保温や雨のはね返り防止に敷きワラをします。
摘心・整枝
しっかり育った果実を収穫するため、つるや果実を絞りましょう。
本葉5〜6枚で摘心し、元気のよい子づるを4本残して他は根から切り取ります。
着果させるのは主枝から数えて15〜20節くらいとし、人工受粉をします。
収穫目標は1株2〜4果で、生育の弱い果実は摘果します。
授粉
雄花を摘み取って15〜20節くらいにある雌花に受粉して実をつけさせます。
人工受粉は朝早めに行うのが良いでしょう。
人工受粉について下記に詳しくまとめています。
追肥
果実がついたら1回目の追肥として、化成肥料を株元やつる先にまきます。
着果よりも前に追肥するとつるぼけになりやすいので気をつけましょう。
2回目以降の追肥は、生育状態に応じて行います。
除草
雑草が生長すると日当たりが悪くし、果実肥大を邪魔して品質を低下させるので、つるが伸びる前に畝の間の防除をおこないます。
あらかじめ防草シートを敷いておくのも良いです。
玉直し
日光が当たっていない皮の部分は、色がしっかりついていません。
その着色ムラをなくすため、果実を裏返すように向きを変えて日光を当てます。
これを玉直しといい、スイカ以外の果実でもよく行われます。
収穫
受粉から大玉で45日前後、小玉で35日前後を目安に収穫します。
また、見た目や果実をたたいた音で熟期を判定することができます。
スイカの実をたたいて、高くて硬い音から低くて鈍い感じの音になっていたり、実のついてるところの巻きひげが茶色くなっていると熟しているサインです。
これらの収穫適期の見極め方は慣れていないとなかなか難しいので、初心者は、開花後日数(大果種で35日程度)や精算温度(毎日の平均気温を合計した数値。大果種で900〜1000℃)を参考に判断しましょう。
開花した日付の札を着果した実につけて、収穫適期までの日数を確認して収穫すると良いですね。
4.よくある生育不良・おもな病害虫
スイカが枯れる、花が咲かない、しおれるなどのよくある生育不良と病害虫を下記にまとめています。
5.まとめ
①植えつけ後はトンネルなどで保温する。
②人工授粉して確実に着果させる。
③授粉した日を記録して収穫期の目安にする。
④果実がこぶし大になったら追肥をする。
⑤雑草が生育を大きく妨げるので除草する。
⑥元肥が多いとつるぼけする。(特に窒素肥料)
この記事では、スイカの基本的な育て方と栽培方法についてまとめました。
下記では、スイカの上手な植え方、仕立て方などをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。