1.人工受粉のやり方|方法
スイカは雌雄異花という雌花と雄花が別々につく植物なので、自然のままにしておくとしっかり受粉できない可能性があります。
十分に暖かくなり、ミツバチなどの訪花昆虫が盛んに飛び回るようになれば必要ありません。
しかし、目的とする15〜20節についた雌花をよく観察し、昆虫がいなければ意図的に人工受粉をして確実に着果させる必要があります。
人工受粉は、早朝、葉や花についた朝露が乾いたらなるべく早いうちにおこないます。
まず、今朝咲いた雌花をよく探し、その付近に咲いている雄花を2〜3花摘み取ります。
次に、指先で花梗を折らないように注意しながら花弁だけを取り除き、雄しべをむき出しにします。
これを軽く親指の爪の上になすりつけて、花粉がよく出ることを確認し、雌花の雌しべの上に丁寧になすりつけます。
花粉の出方が少ない場合には、念のためもう一個くらいつけておきましょう。
時間が遅くなると花粉は出なくなってしまいます。
2.片付けのポイントは?
自根の苗(接木苗ではない普通の苗)の場合は、株を抜いたら根にセンチュウの被害のこぶができていないか確認しましょう。
敷きワラなどは、畑の中に混ぜ込んで有効活用します。
ただし、スイカの後の秋の作付けでは根菜類のタネまきなどは向かないので、苗を植えつける野菜の方が良いでしょう。
スイカは連作障害の出やすい野菜なので、次の作付けまで、5年ほどあけるようにしましょう。
もし、スイカに生育不良や病害虫が発生した場合は、こちらを参考にしてください。
3.狭い場所での栽培方法は?
市民農園などの限られた面積では、栽培しにくい野菜ですが、支柱を使えば立体的に栽培できます。
ただし、大玉の品種は向かないので、小玉スイカでおこないます。
植えつけたら、本葉3〜4枚ほどで親づるを止めて、2本子づるを伸ばし、2本の支柱に誘引位します。
下の方の孫づるは取って、上の方は放任し、支柱1本あたりに、1〜2個の小玉スイカを収穫します。
また、つる回し栽培を利用した狭い場所での栽培方法もあります。
4.玉直しとは?|やり方
玉直しとは、スイカの果実がある程度大きくなってから、その方向を人手で変えてやることです。
その目的は形や色づきをよくすることが第一ですが、そのほかに花落ちの部分につくカビ(菌核病)の発生を防ぐ効果もあります。
玉直し作業は2〜3回おこなうのが普通で、1回目は、果実が鶏卵大になって行う摘果作業のあとです。
縦長で花梗の太い、将来性のある果実は、1株1〜2果残してから、果実を正常な向きに正座させます。
そのあと、雨が降ったりしてカビの発生が懸念されるなら横向きにして花落ち部分が乾くようにしたり、果実が直接土に触れないように、玉の方向、位置を適宜調節します。
最後の玉直しは、果実が十分に肥大し、あと半月もすれば収穫できると思われるようになったときです。
それまで下になっていた部分は色づきが良くないので、その部分を日の当たる方向に向くようにして、果皮の色が均一に発色するようにしましょう。
4.一株で何果を目標にすれば良いですか?
スイカやメロンなど甘くなるまで完熟させるものは、摘果して個数を調整しなければ美味しいものができません。
キュウリやゴーヤは未熟果のうちに収穫するので、いくらでも取れますが、スイカの場合は、大玉種で2果、小玉種で4果できれば上出来で、株1つが持つエネルギーとしてはそれぐらいがちょうど良いです。
それ以外の果実は、鶏卵大になったところで摘み取りましょう。
5.収穫期の判別について
スイカやメロンは糖度が食味を決定的にしますので、いつ収穫したら良いかはとても重要です。
成熟には温度が大きく影響し、開花後平均気温の清算値が850〜1000℃になるときが収穫の適期とされています。
交配日が分かっていればそれからおよその収穫適期日が決められます。
しかし、それにも幅があり、厳密に判断はつけにくいです。
交配日や精算温度を記録していないときはおおよその判断の目安に準じる必要があり、目安は次の通りです。
果形⇨肩の張りがよくなる。尻の部分がへこみ、周辺の張りが出てくる。
色沢⇨若いツヤが失せ、光沢が鈍くなる。
触感⇨お尻の部分を指先で押すと、弾力が感じられる。
打音⇨指の腹でたたくと濁音(ポテポテ)を発する。
巻きひげ⇨果実のついている節から出た巻きひげが枯れる。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方と栽培方法についてまとめています。