1.ナス栽培について
ナスは気温の高い気候を好み、また、長期間連続して収穫できます。
根は乾燥に弱く、水を好みますが、多湿も苦手です。
夏の間に1〜2節残して切り戻しと剪定をしておくと、秋から長期にわたり、よい実が収穫できます。
2.ナスの品種について
ナスはたくさん品種がありますので、それぞれの地域の気候にあった品種を選びましょう。
①中長ナス(千両、千両2号、黒帝、黒福)
②長ナス(黒陽、長岡長、築陽、飛天長)
③丸ナス(早生大丸、紫水、うす皮、味丸)
④米ナス(くろわし)
⑤地方品種(加茂ナス、民田ナス、水ナス、仙台長ナス、巾着ナス)
3.ナスの栽培方法
土作り
日当たりの良い場所を好み、弱い日照下では生育が悪くなります。
また、乾燥に弱いため、土壌水分の多い耕土の深い土壌が適しています。
まず、植えつけの2〜3週間前に苦土石灰を畑全体に散布し、深め(30cm〜40cm)に耕します。
次に、堆肥、化成肥料を土とよく混ぜて耕し、1週間前に畝をつくります。
1条植えだと畝幅60cm、高さ20cmに、2条植えで畝幅120cm、高さ20cmにします。
地温上昇の効果がありますので、畝にはポリマルチをするのが良いです。
6〜10月まで長く収穫できる野菜なので、堆肥などの有機物を多めに投入し、ふかふかの土を作りましょう。
連作障害にも注意で、前にナスを植えたことがある場合は前作から5年ほどあけて植えつけるのが良いです。
苗を購入する際に接木苗を選ぶのも良いですね。
植えつけ
種まきから植えつけの適期まで75日〜80日を要します。
また、発芽適温も28℃〜30℃と高温のために、家庭菜園では市販の苗を購入し育てましょう。
5月の連休の頃に植えつけられるように準備しましょう。
株間90〜100cmにして植えつけ、長さ60cmの仮支柱に誘引し、また、植えつけの際は地面より少し高く植えつけます。
少し高く植えつけ周囲の土を埋め戻し、根元をおさえて落ち着かせましょう。
ナスの植えつけに関しては「落ち葉床植え栽培」という方法もあります。
この方法であれば、追肥しなくてよくなるので、落ち葉がある人は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
管理
整枝
一番花がついたら、主枝とその下1〜2本の側枝を残し、それより下は摘み取りましょう。
手で摘み取っても、ハサミで切り取っても良いですが、元から取り除くようにします。
わき芽を残しておくと栄養が取られて、生育が悪くなるので、早めに取りましょう。
本支柱立て
生育が進むと、枝が伸びて倒れたり折れたりするので本支柱を立てて誘引しましょう。
本支柱は地中に20cm〜30cm程度埋め、株の脇に一本真っ直ぐに立て、ひもで支柱と茎を結びつけます。
また、側枝にも支柱を立て、ひもで支柱と茎を結びつけると良いでしょう。
追肥(マルチをしている場合)
1回目の追肥は植えつけの2週間後で、マルチの穴を広げるようにしてできるだけ株元から離して、半握り程度の化成肥料を与えます。
その後は枝葉の広がりに合わせて、徐々に株から離した位置に与えます。
肥料の流出がないので月1回のペースで追肥していきます。
追肥(マルチをしていない場合)
株の広がりの真下のあたりに、軽くひと握り程度の化成肥料を与えます。
その後は2〜3週間に1回与えます。
枝葉の広がりに合わせて、徐々に株から離した位置に与えましょう。
更新剪定
7月下旬ごろになると収穫量も増えてきますが、同時に枝が混み合って日当たりがどんどん悪くなってきて果実の品質が落ちてきます。
そこで、このころから8月上旬の間に全体の3分の1〜半分の枝を切りつめる更新剪定をおこないます。
この作業をおこなうことで、新たに発生した枝から品質の良い果実が収穫できます。
収穫
開花後20〜25日の未熟果を収穫します。
熟してしまうと種が硬くなり肉質も低下してしまうので、中長品種で10cmくらいから収穫しましょう。
収穫後は果実の蒸散によるしおれが早いので、すぐに食べましょう。
最初の実が大きく育ててしまうと、株が弱ってしまい、その後の収穫が悪くなってしまいます。1〜3番目の実までは早めに収穫しましょう。
4.よくある生育不良・おもな病害虫
ナス栽培でよくある10の生育不良とおもな11の病害虫ををまとめています。
5.おわりに
①直まきせずに苗から始めるのが良い
②主枝と2本の側枝での3本仕立ての整枝法で育てる
③連作障害がある。前作から5年程度あける。
④追肥をマルチありなしに合わせて適切におこなう
⑤弱い日照では生育が悪くなるので、混み合った枝もキレイにする
⑥わき芽はしっかり取り除いておく。
この記事では、ナスの基本的な育て方について紹介しました。
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