キンサイはセロリの仲間で「スープセロリ」「オランダミツバ」の名前でも知られており、セリ科特有の食欲をそそる強い香りが特徴です。
この記事では、そんなキンサイの育て方・栽培方法についてまとめています。
キンサイについて
キンサイは冷涼な気候を好み、生育適温は13〜15℃で、やや湿気の高いところが作りやすいです。
初夏まき栽培:種まき6月上旬、植えつけ7月上旬、収穫8月
秋まき栽培:種まき9月下旬、植えつけ10月中旬、収穫11月下旬〜12月
酸性に弱いので、土づくりの際に苦土石灰を散布し、耕しておきます。
普通のセロリよりも性質が強いため比較的作りやすく、セロリほど多肥にしなくても育ちますが、乾燥しやすい畑では水やりを切らさないようにしましょう。
株間を12cmほどと狭くして栽培すると、密生して相互に軟化し、良い品質のものができあがります。
低温にあうとすぐにとう立ちし、葉がかたくなってしまいますので、とう立ち前の柔らかい葉を利用しましょう。
日本への渡来は16世紀と早く、当時はキヨマサニンジンと呼ばれていました。
その後再度輸入されたが、あまり普及はしていないです。そのため品種の分化もみられず、スープセロリ、キンサイと称して市販されています。
スープセルリー(サカタのタネ):生育旺盛で作りやすい。茎が細く、葉が小ぶりだが、香りは強め。
苗づくり・畑の準備
まずは、苗づくりからで、育苗箱に種を条まきします。
種が小さいので、まき溝はごく浅くつけ、種まきのあと、土をかぶせる時は、目の細かいふるいを使って種子がやっと見えなくなるくらいに薄くしましょう。
発芽までは新聞紙または稲ワラで覆っておき、発芽したらすぐに外しましょう。
発芽したら2回に分けて間引きます。
1回目は本葉2枚の頃、株間1.5〜2cmになるように間引きましょう。
2回目は本葉3枚の頃、株間5〜6cmになるように間引きします。
本葉5〜6枚ぐらいまで成長すれば植えつけの準備は完了です。
苗の準備ができたら次は畑の準備で、植えつけの1ヶ月くらい前に1㎡あたり石灰大さじ3杯、堆肥4〜5握り程を施します。
キンサイは酸性の土に弱いので、植えつけの前に必ず石灰を散布し、良質の堆肥も入れてしっかりと耕しておきましょう。
植えつけの2週間くらい前に、畝全体に1㎡あたり堆肥4〜5握り、油かす大さじ7杯、化成肥料大さじ5杯の元肥をばらまいて15〜20cmの深さに良く耕します。
苗の準備と畑の準備ができたらいよいよ植えつけです。
株間12cm程度で植えつけていきましょう。
植えつけた後はしっかりと水やりすることも忘れないようにしましょう。
追肥・中耕・収穫
追肥は15〜20日に1回くらいの割合で株の間に、1株当たり化成肥料大さじ1杯の量の肥料をばらまき、竹べらで土に混ぜ込みます。
肥切れさせないで生育を促します。
密生してきますが、混み合うことによって相互に軟化し、良い品質のものができます。
また、乾燥に弱いので、土が乾いていたらたっぷり水やりしましょう。
収穫する方法は、2つあり、一斉収穫する場合は抜き取り、または刈り取ります。
少量を利用する場合には、葉を1枚ずつ取り外しても良いです。
地上部を3〜4cm程残して刈り取れば、再生して2回ほど収穫できます。
プランター栽培の場合
臭い消しとして肉料理に使ったり、香りづけとしておかゆや炒め物に入れたりと、用途が広いキンサイは、プランターでも栽培できます。
長さ60cmのプランターを用意し、赤玉土(小粒)7、腐葉土3の割合の土に、苦土石灰30g、有機配合肥料20gを混ぜた用土を入れます。
種子をばらまきし、発芽したら混み合っているところから順次間引きして株間10cmにして育て、液肥を月2〜3回追肥しましょう。
肥切れ、水切れしないように注意が必要です。
おわりに
味や香りはセロリにそっくりですが、ビタミンなどの栄養成分はセロリよりキンサイの方がはるかに上です。
βカロテンやビタミン類や、カリウムなどが豊富に含まれているので、様々な健康効果が期待できます。
セロリよりも栽培は簡単ですし、プランターでも作ることができるのでぜひ一度育ててみてはいかがでしょうか。
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