大きくて美味しい野菜を作るには良い土にすることがとても大切になります。
良い土とはそもそも何なのか、良い土に求められる条件に関しては下記を参考にしてもらうとして
この記事では、良い土づくりのために必要不可欠な「堆肥」についてまとめました。
堆肥づくりは、コツを掴めば案外難しいものではありません。
台所や畑などから出る材料で、野菜が喜ぶ堆肥づくりに挑戦しましょう。
主な堆肥の材料は?
堆肥は動物由来の有機物が微生物の働きによって発酵、腐熟したものです。
これが土の団粒構造を作り、水はけと水もちが良く、微量要素をバランスよく含んだ理想的な土を作ります。
堆肥をたっぷりと与えた畑は土がフカフカで、微生物の働きが活発ですよ!
堆肥づくりのスタートは、微生物のエサとなる糖類やタンパク質を含む有機資材を集めることからです。
落ち葉は、雑木林などで集めるのが効率的です。
ケヤキやクヌギ、カエデなどの落葉広葉樹が適しています。
葉の厚いシイやツバキ、針葉樹、イチョウなどは、熟成に時間がかかるため堆肥の材料には向きません。
材料によって炭素と窒素のバランスが違うので、それぞれの特徴を生かして組み合わせるのが上手な活用法です。
また、油かすは窒素分が多く、微生物の働きを助けるので、そのまま肥料としても使うことができますよ。
落ち葉:堆肥には広葉樹の落ち葉が最適。腐熟したものが腐葉土。
稲わら・干し草・刈り草:通気性がよくて分解しやすい。乾燥したものを切って使う。
牛ふん:肥料バランスがよく、どんな作物にも向く。水分が多いので植物性のものと組み合わせると良い。
豚ぷん:牛ふんに比べて窒素(N)やリン酸(P)が多い。
鶏ふん:牛ふんに比べてリン酸、石灰が多い。乾燥ふんは窒素の分解が早く、有機肥料として使う。
もみがら:分解が遅いので単独で堆肥化するのは難しいが、水分や肥料分の多い材料と組み合わせると良い。
身近にある堆肥の材料は?
身の回りにある材料も堆肥になります。
生ゴミや野菜くず、茶殻なども利用できるので、堆肥づくりは家庭ゴミのリサイクルにも一役買ってくれます。
台所から出るものはどれも水分が多いので、乾燥させて使います。
稲ワラやもみ殻などの水分の少ないものと混ぜても良いでしょう。
いくつかの材料を組み合わせて作ると成分のバランスの良いものができます。
水分量は50〜60%、窒素は炭素の20〜30分の1以内にするのがポイント。
稲ワラ100kgに対して石灰窒素は2kg、油かすは8kg、米ぬか17kgぐらいを加えるのが目安ですよ。
野菜くずと稲ワラが同量の堆肥は、自然に近い植物性で、窒素分が少ないんで果菜類に向いています。
家畜のふん(鶏ふん、牛ふん、豚ぷんなど)は窒素分が多いので、要塞類に与えると効果的です。
野菜くず:水分が多いので、よく乾燥させてから使う。養分が豊富で、良い堆肥ができる。
生ゴミ:台所から出る生ゴミは肥料効果が高い良い素材。十分に乾燥させたものを使う。
おから:水分が多いので、乾燥した素材と一緒に使うと良い。栄養分が多いのでまきすぎには注意する。
茶殻・コーヒーかす:水分が多いので乾燥させたから投入する。においを吸収するので、家畜のフンと一緒に使うと効果的。
米ぬか:そのまま有機質肥料として使えるが、堆肥に使用すると微生物の増殖を助ける。
ここでは堆肥に使われる材料は軽く紹介しましたが、下記ではそれぞれの特徴を詳しく書いてますのでこちらもあわせてどうぞ。
堆肥の作り方
堆肥づくりの基本は、材料に水と窒素源(油かすや鶏ふんなど)を加えて、
水分をしみ込ませるために踏み固め、時々切り返してやることです。
堆肥を作る場所は日当たりがよくて雨の降らない場所が最適ですが、シートをかけて雨を防ぐこともできます。
木枠を作って、材料を少しずつ積み重ねて水を与えて、よく踏み固めます。
ここでポイントになるのは水分量です。
材料を固く握りしめて軽く水けを感じるくらいが適当です。
水分量などの調整など、良い堆肥を作るためのコツとポイントは下記に詳しくまとめているのでこちらを参考にしてください。
積み上げて1週間ぐらいして微生物の活動が始まると、熱が発生します。
窒素分をエサに有機物を分解しているのです。
最盛期には60〜70℃にも達して、病原菌や雑草の種も死んでしまうぐらい高温になります。
場所によって温度や水分量は一定ではなく、腐熟の程度も異なります。
そこで、全体をまんべんなく発酵させるために行うのが切り返しです。
初めの1ヶ月は週一回、その後は1ヶ月に1回程度おこないます。
温度が下がってくれば、発酵は終わりです。山を崩してでき具合を確認しましょう。
完熟した堆肥はわずかに水けを感じる程度の水分で、全体にパラパラしています。また、かすかに土のにおいがしています。
反対に水分が多くてどろっとしていたり、悪臭やアンモニア臭がするものは発酵の失敗です。
未熟な堆肥は野菜を傷めるので使用できません。
失敗作は、稲ワラやもみ殻など窒素分が少ないものを加えて作り直すか、
畑の外に穴を掘って埋めておけば、土の中の微生物が分解してくれます。
堆肥の具体的な作り方を(一例)をまとめましたので参考にしてください。
1.落ち葉や稲ワラ、刈り草などの材料を集める。
2.約1m四方の木枠を作り、材料を入れて、油かすと米ぬかと水をまく。
3.さらに上に積み上げて踏み固め、油かすや米ぬかと水をまいて敷きつめる。
4.雨水が入らないように、シートをかけておく。
5.発酵が進んで熱をもったら、切り返しをおこなう。
6.山を切り崩して中心部の材料を外へ、外側のものを内側に積み替える。
7.早いもので3ヶ月、遅くとも半年から一年で発酵が終わる。
8.黒ずんでパラパラしたらできあがり
僕は毎年落ち葉を材料にしたコンポストを使った堆肥づくりをしています。落ち葉堆肥の作り方と実践記録は下記を見てくださいね。
堆肥の手軽な作り方
堆肥づくりの条件(材料、水、窒素と酸素)がそろえば堆肥づくりは可能です。
一番簡単なのは、穴を掘って生ゴミと米ぬかを混ぜたものと土の層を交互に重ねるだけのもの。
材料は植物質だけよりも動物性のものが少し混ざった方が分解が進みます。
ポリバケツやコンポストは狭い場所におけるので、堆肥づくりが手軽にできます。
いっぱいになったら1ヶ月程度かけて熟成させていきましょう。
僕も以前“#30日後にフカフカ堆肥になる野菜クズ”というタグでペットボトル堆肥ができるまでをツイートしていましたよ。
おわりに
この記事では、堆肥の基本のキについて、材料や作り方について紹介しました。
案外簡単に作れてしまうこの堆肥ですが、実は効果は凄まじいものがあります。
下記では、土づくりに欠かせない堆肥の効果を3つの観点から紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。