土と肥料

油かすとは?その特徴|使い方と注意点【家庭菜園】

油かすとは?その特徴

油かすはナタネ油やダイズ油などから、油を搾った後のカスです。なかでもナタネの油かすは、古くから利用されてきました。窒素約5%、リン酸約2%、カリウム1%とリン酸とカリの含有量はわずかですが、あらゆる野菜が育つのに重要な要素である窒素分の含有量が多いのが特徴です。

リン酸の割合が低めなので、土中に蓄えられたリン酸が溶け出しやすい西日本で特に好まれます。

土の中で微生物により分解され、ゆっくりと効果が出るため、元肥に使います。

油かすは、窒素に比べてリン酸とカリウムが少ないので、育てる野菜の種類によって、骨粉(リン酸が豊富)、草木灰(カリウムが豊富)を適宜ブレンドして使われます。

このように、油かすをベースにして野菜づくりをする家庭菜園家も多く、また、安価な点もメリットです。

油かすの使い方と注意点

油かすは効果が出るまでに時間がかかり、分解の過程で有機酸やガスが出てて作物に悪影響を与える可能性があるので、作付けの2〜3週間前に散布し、土によく混ぜ込みます。

なお、油かすだけで野菜を育てようとすると、リン酸とカリが足りません。有機にこだわるなら、リン酸は骨粉、カリは草木灰で補います。こだわりがないのであれば、リン酸は過リン酸石灰、カリは硫酸カリを併用すると良いでしょう。カリは追肥で補うことも可能です。

油かすを発酵処理した「発酵油かす」も市販されています。発酵油かすは、速やかに効き出し、害の心配がなく、植え付けの1〜2週間前に施すことができます。

発酵油かすには骨粉がブレンドされていて、窒素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれた商品もあります。

発酵油かすは、元肥に使うほか、効き出しが早いので追肥にも向く肥料です。

油かすは、水に入れて発酵させ、液体肥料にすることもできます。また、ボカシ肥の材料にも最適です。

液体肥料は、油かす1ℓを10ℓの水に混ぜ、2ヶ月おいて発酵させると使用できます。5倍に薄めて、1週間に1回のペースで施すと良いです。においはきついですが、効果抜群の液体肥料になります。発酵済みなので、すぐに効き、障害も出にくいです。

オススメの油かす

窒素を豊富に含む油かすは、葉菜類を育てるのに向きます。米ぬか同様、効き目が出るのは、土中で微生物によって分解されてからです。地温が低い春先は分解が遅いので、特に時間をおいてから植えつけるようにしましょう。

オススメは「マルタ一番しぼり菜種油かす」です。使いやすい発酵油かすも販売されているのでオススメです。水に混ぜて発酵させれば液肥もつくることができます。

油かすとは?その特徴まとめ

○窒素分が豊富で、比較的早く効きます。畑の施してから2〜3週間したら植えつける。地温が高い時期なら追肥としても使える。

○効き目は長続きしない。

○窒素分を欲しがる葉物野菜がよく育つ。リン酸とカリウムが少ないが、リン酸が効きやすい西日本の畑では油かすが好まれて使われる。

○ボカシ肥料の材料に向く。