主な堆肥の種類とその特徴
腐葉土
落葉広葉樹の落ち葉を積んで、時間をかけてじっくりと堆肥化させたものです。
水や肥料成分をバランスよく保持してくれ、畑に入れるのはもちろん、鉢・プランター栽培の培養土にブレンドするのに最適です。
市販品を選ぶ時は、葉が黒く変色し、葉の形がわかる程度に崩れているものを選びます。
葉の形がそのまま残っていたり、葉が茶色だったりするものは、未熟な状態です。
落ち葉を集めて自分で作る時は、比較的分解の早い、クヌギやコナラ、ケヤキ、カエデなどの落葉広葉樹を使いましょう。
水分の多いものや、イチョウのように樹脂分が含まれて腐りにくいものは避けるようにしましょう。
バーク堆肥
樹木の皮に、鶏ふんや油かすなどの発酵補助材を加えて堆肥化させたものです。
植物繊維を多く含み、高い土壌改良効果が期待できます。
市販品を選ぶ時は、十分に腐熟しているものを購入します。
乾燥している土と馴染みにくいので、湿っているものを使用するようにします。
あまりにカラカラに乾燥しているものは、湿らせても水をはじいてしまうので注意が必要です。
牛ふん
牛ふんにオガクズや稲ワラなどを加えて堆肥化させたものです。
牛は草が主食なので、ふんに繊維分が多く含まれており、土壌改良効果と肥料効果をバランスよく発揮してくれます。
また、バークを50%以上含んだ「牛ふんバーク堆肥」も販売されており、これは、牛ふんだけの堆肥よりも、土壌改良効果がより高くなっています。
発酵鶏ふん
ニワトリは、トウモロコシなどの栄養価の高い濃厚飼料を食べているので、繊維質がほとんど含まれていません。
牛ふんに比べて窒素や、リン酸、カリウムなどの肥料成分も多く含みます。
鶏ふんをそのまま乾燥させた「乾燥鶏ふん」は、普通化成肥料並の肥料効果があります。
また、オガクズを入れて肥料効果を穏やかにした「鶏ふんオガクズ堆肥」も販売されています。
生ゴミ堆肥
台所から出る生ゴミ(食品廃棄物)を使った堆肥です。
野菜や果物以外に、肉や魚、卵の殻といった動物質のものが混在しているので、土壌改善効果と肥料効果の両方を兼ね備えています。
ただし、家庭で作るために、品質にばらつきがあります。
副材料で成分バランスを調整する
もみ殻
極めて分解が遅いために単独での堆肥化はできません。
しかし、水分をよく吸収し、すき間も作ってくれるので、様々な主材料の水分調整材として優れています。
オカラ
水分含有が約80%と高く、窒素を多く含むので、乾燥した落ち葉や剪定クズなどと混ぜて使うと良いです。
米ぬか
窒素分が多く、ミネラルやビタミンが豊富で、そのまま有機質肥料として使うことができますが、堆肥に使うと微生物の格好のエサとなり、その増殖を手助けします。
茶ガラ・コーヒーカス
タンニンなどを含む茶ガラは脱臭効果があり、コーヒーカスもアンモニアなどの匂い成分を吸収してくれます。
肥料成分は高くないので、家畜ふん堆肥と組み合わせます。
おわりに
この記事では、堆肥の種類について紹介しました。
下記では、堆肥づくりに欠かせない土壌微生物についてまとめています。
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