1.団粒構造について
土壌を構成する小さな粒たちがくっついて小さな集合体になって、
その小さな集合体がまたさらにくっついたものを「土壌団粒(どじょうだんりゅう)」と言います。
そしてその構造のことを「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」と言います。
この「団粒」は粘土、鉄やアルミニウム酸化物、土壌微生物、腐食物質が大きく関わり合うことでできあがります。
先ほどいった「土壌団粒」には色んな大きさがあって、その団粒を構成する組み合わせもたくさんあります。
小さな団粒が集まってそれより大きな団粒になり、その大きな団粒がいくつも結合してさらに大きな団粒になります。
団粒は階層構造を持っているんですね。
一般に、この団粒は、微小な一次団粒(小さな団粒)と、それらが集まってくっついてできた高次団粒に分けられます。
この高次団粒は0.25より大きなものです。
ちなみに、要は土壌改良をしたかったら、一次団粒⇨高次団粒にすれば「団粒構造」ができ上がり土壌は良くなる、というわけです。
そして、一次団粒⇨高次団粒にするための接着剤の役割を果たすのが、鉄やアルミニウムです。
しかし、それら単体では接着剤の役割は果たすことができず、腐植や微生物の出す代謝産物や植物根の破片などの
有機物を仲介することで鉄やアルミニウムが接着剤となり、一次団粒同士がくっついて高次団粒になります。
ミミズについては、以前、ツイッターで色んな方がご意見をくれました。
記事にまとめていますので、気になる方はどうぞ。
2.有機物について
先ほどから、「有機物」というものが何度も出てきました。
畑に耕した堆肥、植物の茎葉などの植物遺体などが土壌中の「有機物」です。
土壌中の有機物はミミズなどの土壌動物の餌になります。
そしてミミズたちが細かく砕いたものをエサとする細菌や糸状菌などの土壌微生物が増えて活性化し、
その土壌微生物が植物の成長に必要な養分を作り出し、土壌の生物性が活性化されます。
大まかな流れとしては、有機物⇨土壌動物⇨土壌微生物⇨様々な無機物(養分)です。
土壌の生物性が改善されて様々な微生物がバランスよく保たれることで土壌伝染病菌の抑制にも繋がります。
さらに、有機物は、土壌の保肥力が高まって、土壌酸度を適切に保つ役割があります。
土壌改良において「有機物」の果たす役割は大きいんですね。
3.有機物が団粒構造を作る。
「1.団粒構造について」「2.有機物について」を踏まえると理解が進みます。
難しい単語が割と出てきているのでややこしかったら1や2に戻りながら読み進めていってください。
土壌微生物(細菌、糸状菌)は有機物を分解して得られるエネルギーで活動し、増殖しています。
微生物が有機物を分解する時に、分解できずに残った有機物や微生物が生産した「粘物質」と呼ばれる物質が、先ほど述べた一次団粒をくっつけて高次団粒にするんです。
こうして団粒構造ができるんですね。
4.まとめ
①団粒構造にするには、「一次団粒」⇨「高次団粒」にする必要がある
②有機物⇨土壌動物⇨土壌微生物⇨様々な無機物(養分)
③畑に耕した堆肥、植物の茎葉などの植物遺体などが土壌中の有機物
④良い土にするには、有機物を増やし、土壌微生物を増やすことが大切
下記では、団粒構造を保つためにおこなう土の調べ方についてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。