キャベツ栽培について
キャベツの原産地は、地中海沿岸やヨーロッパの太平洋岸の岩場に自生していたケール(不結球野生種)がその起源とされています。
ギリシャでは紀元前600年頃にケールは目的に応じて改良され、葉を多肉化し結球したキャベツ、茎が肥大化したコールラビ、蕾や花茎が肥大化したブロッコリー、花蕾が白色化したカリフラワー、とそれぞれ分化しました。
結球したキャベツは13世紀頃にイギリスで生まれ、日本には江戸時代にオランダ人が鑑賞用として持ち込み、食用として広まったのは明治時代以降です。
様々な品種
土づくり
植えつけの2週間前に苦土石灰を前面に散布し、1週間前に保水性を高めるため完熟堆肥、化成肥料を散布します。
畝の幅は60cm、高さは10cm、株間35~40cmの一条植えです。
土壌の適正酸度はpH6.0〜6.5です。
苗づくり
直径9cmのポットに無菌の種まき用土を入れ、手や鉛筆でそっと開けたまき穴に種を3~4粒まきます。
種は手でもまけますが、竹串の先をちょっと湿らせると種がくっついて作業しやすくなりますよ。
キャベツは嫌光性種子で、光りが当たると発芽が遅れるので、種が隠れる程度で覆土しましょう。
表面を平らにならし、散水しても種が動かないように軽く押さえ、種まき後、十分に水やりします。
発芽温度は15℃〜30℃、生育適温は15℃〜20℃で、春まき秋まきがありますが家庭菜園で向いてるのは秋まきです。
植えつけ
気温が高い夏場は夕方に移植し、十分に水やりし、植え穴には殺虫剤(オルトラン粒剤)を少し入れます。
植える深さは子葉が出るくらいで、根元を軽く押さえつけてぐらつかないようにすると、しっかり根づきます。
浅すぎると乾燥して枯れ、深すぎると株が腐りやすくなります。
秋冬植えのタイミングは無理な早植えはやめましょう!
秋冬植えの無理な早植えは、高温で苗の植え傷みがしやすく、高温乾燥による石灰欠乏症状も出やすくなります。
また、高温で害虫の多い時期なので、害虫の被害も受けやすくなります。
管理
トンネルがけ
生育中は不織布などでトンネルがけするのが良いでしょう。
虫害の予防に加えて、防風や泥はね防止の効果があります。
1回目の追肥・土寄せ
植えつけから1ヶ月ほど経ったころ、1株あたり30gの化成肥料を畝の肩にやり、除草をかねて土寄せをします。
2回目の追肥・土寄せ
1回目の追肥・土寄せから1ヶ月弱くらいで、1回目の半分くらいの量で追肥をします。
ちょうど結球が始まる頃で、虫害も最も盛んになる頃なのでしっかり防除しましょう。
ちなみに、夏収穫の春植えは栽培時期の温度が高く、生育条件が良いので肥料の量がすくなくても生育します。
一方で、秋冬収穫の秋植えは、温度がだんだん下がっていく時期なので、夏収穫に比べ肥料を多くしましょう。
収穫
植えつけから1ヶ月半ほどで収穫期を迎えます。
結球したキャベツを手で押し、固さを確認して、しっかり締まっていれば収穫適期です。
下葉を押さえて、株元から切り取って収穫しましょう。
生育不良・病害虫について
注意すべき害虫
キャベツを始めとするアブラナ科の植物にとって、アオムシは天敵中の天敵です
理由は、アブラナ科の植物が持つカラシ油配糖体という成分にあります。
アオムシの親であるモンシロチョウには、このカラシ油配糖体を持つ葉に卵を植えつける性質があります。
卵からかえったアオムシはキャベツをゆりかごにして葉をえさにして、成長するということです。
アオムシなどの虫たちは春植えキャベツに特に多く発生します。
ひどく発生して玉の中に入り込むと農薬が効かないので被害が大きくなりますので、早めに発見して捕殺するか、農薬散布で防除しましょう。
注意すべき病気
根コブ病が発生しやすいので注意で、病気が発生すると対処は困難です。
ネビジン粉剤を土に混ぜ込んでから、種をまいたり植えつけたりすると、病気は発生しにくくなります。
キャベツの育て方まとめ
①夏は寒冷紗、春は不織布を活用する。
②防虫ネットで害虫の産卵を回避する。
③日照・保水・排水・肥沃さが不可欠。
④晩秋~冬収穫のキャベツは根こぶ病に注意。
この記事では、キャベツの基本的な育て方について紹介しました。
下記では、他にもキャベツ栽培のコツをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。