1.肥料なしでも作れる?
サツマイモは救荒作物といわれ、やせ地でも収量が上がることで知られています。
窒素を過剰に施した畑では、つる(茎や葉)ばかりが茂ってイモが太らない「つるぼけ」になる傾向があります。
したがって、前作で肥料をたっぷり入れた畑では無肥料でも作ることができます。
この場合は、葉の色をみて施す追肥が重要となってきます。
窒素分を減らすため、3要素が均等な配合肥料の場合は、全体量を少なめにします。
農家は、窒素分を5分の1程度に抑えたサツマイモの専用肥料(N-P-K=3-7-10)を施しましょう。
2.種イモからの苗づくり|育苗法は?
育苗には、温度管理しやすいプランター栽培が良いです。
4月上旬、プランターに軽石(鉢底石)を敷いて半分まで培養土を入れ、イモをすきまなく並べ、イモが見えなくなる程度に土をかけて水やりします。
最低15℃以上、日中に25℃程度になる場所に置き、乾いたらたっぷりと水やりします。
低温期は透明なビニール袋をかぶせて保温するのが良いでしょう。
50〜60日で、30cmくらいに成長した苗が採れるので、切り取って植えつけます。
苗をとったあとの種イモからはまた芽が伸びてくるので、6月中旬くらいまで苗採りが可能です。
3.植えつけのコツは?
サツマイモの植えつけの細かなコツは、苗の大きさに合わせ、活着がよくなるように植えることです。
サツマイモの苗には根がないので、雨の降る前日を見計って植えるのがコツです。
しかし無理な場合は、植えてから数日間は水やりをしてしおれないようにしましょう。
イモは葉がつく節から出る不定根が太りますが、温度が低いと不定根が出ませんので、最低気温が12℃になってから植えます。
深植えすると多くの節を埋められ、しおれにくいのですが、下の方は温度が低くなりイモのつきが悪くなります。
浅植えだと温度条件は良いのですが埋め込む節の数が少なく、またしおれて枯れやすくなります。
そこで節数と温度を確保するために深さ5cmのところに苗を寝かせて植える水平植え、苗が短い場合などでは深さ5cmくらいの直立植えが行われます。
また、折衷的に深さ6〜7cmに斜め45℃に植える「斜め植え」もできます。
イモは地際部の1〜2節につくので数は少ないですが大きく粒がそろいます。
直立植えは活着がよく初期の生育が良好です。
苗を寝かせて植えると、イモは小さいが数は多くなります。
家庭菜園では、両者の中間の斜め植えがオススメです。
4.つるぼけを防ぐには?
肥料分を調整して土づくりをおこなったり、サツマイモと相性の良い作物と混植したりする方法などがあります。
しかし、一番簡単に防ぐ方法として代表的な方法は「ワラ」や「もみがら」を植えつけ前に土に混ぜることです。
サツマイモはどんな土質であっても栽培が可能になりやすい作物ですが、チッ素分が多い畑ではつるばかりが茂り、イモは太らないだけでなく、筋張り、品質が悪くなってしまいます。
これを防ぐには、元肥で与えるチッ素分を少なくすることですが、野菜を作ったあとなどに残存しているチッ素分を抜くことはできません。
そこで、植えつける直前の畑に刻んだワラやもみ殻をまき、土に混ぜます。
ワラやもみ殻がチッ素分を吸収してくれるので、土中のチッ素分が抜けてサツマイモが作りやすくなります。
ワラなどは土中で徐々に分解して肥料分になり、肥料が効いて欲しくない生育前半は効かないで、生育後半のイモの肥大時期に肥料分を放出してくれるため、大変都合がよい方法です。
5.マルチはした方がよい?
黒色のポリエチレンマルチを使うと、地温を高めて早めに栽培でき、雑草も抑えられ、つる返しの必要があまりないので手間を減らすことができます。
植えつけ位置のマルチングに穴をあけ、植えつけ直後の苗がマルチの熱で傷まないように、苗の周囲のマルチには土をかぶせておくと良いでしょう。
おわりに
この記事では、サツマイモ栽培でよく聞かれる質問について紹介しました。
下記では、サツマイモ栽培について上手な植え方や仕立て方をまとめています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。