1.カリフラワー栽培の特徴
カリフラワーは、南ヨーロッパの原産で、ケール(不結球野生種)を起源とするキャベツの変種です。
日本へは明治時代に渡来し、各地で試作されましたが、難しかったために房州や遠州、天草など一部の地域に定着するにとどまりました。
一般に普及したのは、戦後、日本の食生活が洋風化してからのことです。
カリフラワーとブロッコリーは茎の先端の花蕾を食用とし、ブロッコリーは脇芽も食用となる部分が多いですが、カリフラワーは頂上の花蕾一個だけなので、その点で栽培の苦労が報われないと感じる人もいると思います。
2.カリフラワーの品種
カリフラワーの品種には、育てやすい早生のバロック、ミニサイズで収穫も早い美星などがあります。
カリフラワーにも色々な品種があり、紫色のパープルフラワー、バイオレットクイーンや、黄緑色の螺旋状の形をしたロマネスコなどの品種も人気があります。
①美星(直径10cmほどの食べきりサイズ)
②オレンジブーケ(オレンジ色で栽培しやすい)
③パープルフラワー(茹でると緑色に変わる)
④ミナレット(ぼつぼつした花蕾がユニーク)
⑤スノークラウン(真っ白で大きな花蕾をつける)
3.カリフラワーの栽培方法
土づくり
あらかじめ土は細かく耕しておき、植えつけの2週間前に苦土石灰を、1週間前に堆肥、化成肥料を前面に散布し、よく耕して混ぜます。
幅80〜90cm、高さ10〜15cmの畝を立てましょう。
適性の土壌酸度はpH6.0〜6.5です。
種植え・植えつけ
条間45cmの1条植えにしましょう。
マルチを使う場合は、植える位置を丸く切って空けて、植え穴を掘りましょう。
カリフラワーの発芽温度は15℃〜20℃、生育適温は10℃〜20℃で、冷涼な気候を好みます。
ポットから苗を取り出して植え穴に入れて、子葉の下までしっかり埋めて押さえましょう。
植えつける時間帯は、気温の高い日中よりも気温が下がってくる夕方の方が適しています。
カリフラワーはブロッコリーと同様、好光性種子ですので種が見え隠れするぐらい薄く覆土するように心がけましょう。
また、直植えで育てることも可能ですが、カリフラワーは側根が発達しやすいので、ポット植えで育ててから畑に定植することをオススメします。
管理
1回目の追肥・土寄せ
植えつけの20日後くらいに、化成肥料を株間か畝の肩に施し、軽く土寄せをおこないます。
2回目の追肥・土寄せ
1回目の追肥と土寄せから約1ヶ月ほど経って、花蕾がつきはじめるころ、畝の肩に1回目と同様の追肥をおこないます。
防虫ネット
虫除けのため、防虫ネットをトンネルがけします。
遮光
花蕾の直径が5cmほどになったら、大きな外葉をたぐり寄せて、上の方を結びましょう。
花蕾に害虫が侵入するのを防いだり、日光やゴミ汚染などで変色するのを防ぎます。
日焼けを起こすと黄色や茶色に変色することが多く、特に、霜に当たると変色が著しくなるので注意しましょう。
ただし、色のある品種は、日に当てた方が色つきは良いので縛る必要はないです。
収穫
品種にもよりますが、花蕾が12〜15cmほどになったら収穫しましょう。
花蕾の芯の部分を包丁などでキレイに切って収穫するのが良いですね。
4.発生しやすい病害虫
病気
同じアブラナ科のキャベツと同様で、収穫遅れによる軟腐病、連作による根コブ病があります。
根コブ病は根にこぶができて症状が進むと根が働かなくなり、成長できなくなります。
アブラナ科の連作により、畑の中の菌の密度が上がり発生します。
害虫
こちらも同じアブラナ科のキャベツと同様です。
アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどの食害が発生します。
初秋でも発生するので防虫ネットか農薬で防除し、アブラナ科の連作は前作の病害虫が出やすいので、前作から2〜3年は空けましょう。
5.まとめ
①ポットで苗づくりをする。
②花蕾が5cmの大きさになったら外葉で花蕾を包む。
③特に夏まきはトンネルがけで防虫を兼ねる。
④連作障害があるので前作から2〜3年は空ける。
この記事では、カリフラワーの基本の育て方を紹介しました。
下記では、実際のカリフラワー栽培の様子を記録としてまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。