ホウレンソウについて
ホウレンソウは、中央アジアが原産地で、日本には16世紀ごろ、中国から葉の切れ込みが深い東洋種が渡来しました。
明治時代以降、丸みを帯びた葉の西洋種が導入され、今日ではそれらの交配種が多数育成されています。
耐寒性に優れ、栽培には秋まきが適していますが、トウ立ちの遅い品種なら春まきも可能です。
コンテナ栽培もでき、雌雄異株(雄花と雌花が別の株につく)の植物ですが、ひとつの株に雄花と雌花がつくものもあります。
種はそう果(開かない果実)で、果皮とその内側の種皮に包まれていて吸水性が弱く、種まき後の乾燥は発芽不良の一因です。
市販の種には、発芽が早く、よく揃うように処理されたものもありますよ。
季節に応じた品種選び
ホウレンソウは季節に応じた品種選びが大切になってきます。
①サラダあかり(秋まき、鮮紅色の葉柄と葉脈。アクが少なく、食味が良い)
③サンライト(春~夏まき、栽培しやすい西洋種品種)
④ガッツ(秋まき、早い発芽でよく揃い、甘みがある)
⑤ディンブル(秋まき、葉が柔らかくアクが少ない)
⑥アクティブ(春まき、ベト病に強い)
土づくり・種まき
土づくり
酸性土壌を嫌うので、種まきの2週間前に苦土石灰を多めにまいて、よく耕します。
次に、1週間前に堆肥と化成肥料を施し、そのあと、畝60cm、高さ10cmの畝を作ります。
過剰な施肥は植物体内の硝酸量を増加させてしまうので注意しましょう。
種まき
種まきの時期は、9月上旬〜11月下旬で春まきなら3月上旬〜4月下旬です。
発芽適温は15℃〜20℃で、25℃以上だと発芽率が下がります。
種まきは、条間15cmで2条まきとします。
深さ1cmのまき溝をつけ、1cm間隔に種をまいて覆土し、その上を軽くたたいて土と種を密着させましょう。
あと、ポットで育てるより畑にそのまま直まきするのが良いです。
ホウレンソウは移植する際に根が切れると、根の再生力が弱く、そうなると生育不良が起こります。
管理
水やり・間引き
発芽するまでは乾燥しないようにジョウロでたっぷり水やりします。
発芽後は、少し控えながら水やりをおこなっていくと根の成長が促進されますよ。
間引きは、本葉2~3枚のころに、4~5cm間隔に間引きます。
追肥・土寄せ
草丈が7~8枚のころに、化成肥料を条間に追肥し、土寄せします。
収穫
本葉が7~8枚(20〜25cm程度)になったら、大きな株から順次収穫していきます。
収穫する際は、抜き取って収穫すると残った株を傷めるので ハサミで根元を切り収穫した方が良いです。
よくある生育不良・病害虫
とう立ちする
ホウレンソウは長日条件(昼の時間が12時間より長い)になると、花芽ができてトウ立ちしてしまいます。
トウ立ちすると葉や茎が固くなって味が落ちます。
夜間に外灯が届く場合でも、トウ立ちする場合があり、光に敏感に反応するので栽培する場所を考慮しましょう。
発芽しても葉が成長せず、葉の色が変わってきた
葉が成長しないのは、土が酸性土壌の可能性があります。
ホウレンソウは酸性土壌に弱く、栽培しても小さいうちに生育が止まることがあるのです。
発芽してすぐ立ち枯れてしまう場合は、苗立ち枯れ病の菌の密度が上がっている可能性があり、その場合は休栽期間を長めにしましょう。
注意すべき害虫
春まきは、温度が上がってきた収穫時期にアブラムシやヨトウムシ、シロオビメイガなどの害虫がつきます。
秋まきは、比較的少ないですがアブラムシなどが発生します。
未熟の堆肥を入れると、ケナガコナダニが芯の部分について、葉が縮れる症状が出ます。
5.まとめ
①酸性土壌を嫌うので、苦土石灰を多めにまく。
②過湿な土壌は高畝にする。
③夏の果菜の後に作付けしやすい。
④種まきの季節に合う品種を選ぶ。(※タネ袋をよく見ましょう)
⑤発芽促進処理済みのタネを選べば発芽が揃う。
⑥ベト病などに強い耐病性品種を選ぶ。
下記には、ホウレンソウの実践記録をまとめまています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方と栽培方法についてまとめています。