1.畑に直まき
効果
カボチャの種を畑に直接まくと、苗を植えつけるより畑への適応性が高まります。
直根を中心に広い範囲に根が伸び、草勢も強まります。
カボチャの発芽には23℃以上の温度が必要なので、直まきは6月中旬以降におこないます。
果実は昼夜の温度差が大きい時期に肥大するため、肉厚で高品質になります。
晩秋に冬至カボチャを収穫するのに向く栽培方法です。
方法
畑は、種まきの3週間以上前に完熟堆肥や有機肥料を施し、よく耕します。
ただし、種をまく位置から直径20〜30cmの場所には、肥料は施しません。
タネバエなどの害虫が、有機物の発する香りに誘引されるからです。
種は発芽をよくするために一晩水につけ、90cm間隔で直径10cmの穴に3粒まきます。
本葉が1.5枚になったら、子葉の形がよいものを1本残し、残りは抜き取るか株元から刃物で切り取ります。
また、カボチャは、着果した先の葉数が多いと甘くなります。
そのため、子づるを伸ばすための摘心は早めに行った方が良いのですが、苗を植えつける場合は、活着を待たなければなりません。
一方、直まきでは、活着を待つ必要がなく、本葉が4〜5枚で摘心できます。
ただし、草勢が強い分、生殖生長に転換しにくくなります。
また、つるの先端に近い位置に着果しやすくなるので、10節以上に着果した場合、1個は摘果しましょう。
2.草むら植え
効果
カボチャはつるが風によって動かされると、生育が極端に悪くなります。
そのため、節から巻きひげを伸ばし、つるを固定し、不定根を発生させます。
不定根からは、葉水分が吸収され生育がよくなります。
一方、巻きひげを絡ませる物体や植物がないと、不定根を土に下ろすことができません。
そのため、雑草などの他の植物を一緒に育てると、不定根の発生が増え生育がよくなります。
「土手カボチャ」と呼ばれる管理されていないカボチャの生育が良いのは、このためです。
また、草むら植えではカボチャの重要病害のうどん粉病がほとんど発生しないのも魅力の一つです。
これは、草に発生したうどん粉病菌に、アンペロマイセス・クイスクアリス(重寄生菌)が発生し、この菌がカボチャのうどん粉病菌にも寄生するためです。
なお、ムギ類に寄生するうどん粉病菌とカボチャに寄生するうどん粉病菌は種類が違うため、相互に伝染することはありません。
植え方
カボチャの草むら植えには、畑に自然に生えた草を利用する場合と、積極的にムギ類の種を畝にまく方法があります。
後者の場合、秋まき性の小麦や大麦がよく、カボチャの苗の植えつけの2週間ほど前に畑に種をまいておきます。
ムギ類の発芽を確認したら、植え穴のまわり20cm程度に生えたものを抜き取り、普通栽培と同じように用意した苗を、晴れた日の午前中に植えつけます。
3.カボチャ栽培について
土づくり〜収穫までの栽培の基本を下記にまとめています。
「つるぼけ」や「雄花が咲かない」などのカボチャのよくある生育不良とおもな病害虫はこちらにまとめています。
狭い畑でカボチャを育てる場合は、コンパニオンプランツ(混植)もオススメです。うまく活用して相互の野菜の生育促進や害虫忌避を行いましょう。
最後に、「完熟の目安は?」「苗づくりは?」などのカボチャ栽培でよくある質問をまとめましたのでこちらも参考にしてください。