生育不良|病害虫

カボチャのよくある生育不良|おもな病害虫

1.よくある生育不良

つるがよく伸びるのに実ができない

いわゆる「つるぼけ」の状態です。元肥に窒素分が多いと、茎やつるばかりが伸びるのです。

つるぼけは、実が落ちる原因にもなります。元肥は普通の半分くらいで十分です。

追肥は果実がこぶし大になってからおこないます。たくさんの肥料を施すのはやめましょう。

毎年つるぼけで困っているようであれば、親づるの元のほうに果実のつく品種、例えば近成芳香(ちかなりほうこう)などを選ぶと良いでしょう。

実つきが悪い

カボチャの葉は大きく、つるは旺盛に伸びるので、よほど株間を十分にとっておかないと、すぐに込み合ってしまいます。

込み合うと葉がお互いに日陰をつくるので、子房の小さい、色の淡い素質の不良な雌花しかつけなくなり、実つきが悪くなってしまいます。

野菜の中では一番広いスペースが必要といわれています。普通は2.5m×1.5mぐらいの間隔をとるように植えつけましょう。

また、つるを放任すると、いっそう込み合いがひどくなるので、片方に親づるを、反対側に子づる二本を伸ばすようにして、その他の子づるは、早いうちに取り除いています。

3本のつるが配置されるようになるわけです。各つるに2個くらいの着果を目指しましょう。

畑が狭い場合は、株間をつめ、親づると子づる1本ずつを伸ばします。

雌花が開花し始めたら花が開花した朝、9時ごろまでの間に人工受粉をしてやると効果があります。

特に昆虫の飛来の少ないところでは、是非ともおこないましょう。

開花した朝、とありますが雌花は開花して2〜3日のものも受粉しますが、雄花はその日に咲いたものでないと、受粉の能力がありません。しかも気温が上がってくると花粉の発芽力が落ちますので、「朝早く(9時ごろまで)」に人工授粉をおこないましょう。

実の裏が黄色くなっている

日の当たっていない実の裏側は、実が熟してくると黄色くなります。

全体に日が当たるように、ときどき実を回しながら育てると防ぐことができます。

しかし、味に影響はないので色が気にならない場合は作業の必要はありません。

雄花が咲いていない

カボチャは雌雄異花ですが、早出し栽培をしようとすると、多くの場合、雌花が咲くような生育状態になっても相手の雄花がまだ開花しておらず人工受粉しようにもできず、着果が得られなくなってしまいます。

雌花が下方の節から連続してよくつく近成(ちかな)りの品種【近成芳香など】であれば、早いうちに咲く雌花は実どまりしなくても、あとから次々と雌花が咲くので、雄花が開花するのがおくれても、受粉には十分間に合い、必要な着果数を確保することが可能です。

しかし、一般には雌花数の少ない品種が多く、それらの品種では、目標の部位に計画的に着果させないと、茎葉ばかり茂り、着果しにくくなってしまうので、雄花を確保して受粉してやる必要があります。

一番手っ取り早いのは、近くに早出しのカボチャを別に育てて雌花を咲かせているカボチャから分けてもらうことです。

1個の雄花を大切に利用すれば、4〜5花の雌花に受粉させることができます。

確実に雄花を確保するためには、計画的に授粉用としてのカボチャを2週間くらい早まきして、通常栽培のものの雌花の開花時期に雄花が咲くように準備しておくことです。

多数の株を育てている農家などでは、畑の端の1列にこのような受粉のためだけに親株を植える方法がとられています。

2.おもな病害虫

うどんこ病

別名は「しらしぶ病」です。白い粉末のようなものは、分生胞子菌糸です。

うどんこ病になると、はじめは、葉の表面にうどんこを薄くふりかけたようになり、次第に灰色に変わり、ひどくなるのは、7月の梅雨明けの頃からです。

発病のごく初期なら、うどん粉病適用薬剤を所定濃度・使用法で散布すれば蔓延をかなり防ぐことができます。

果実の肥大半ばにして発病し始めた場合、同様に薬剤散布により抑える必要がありますが、果実が大きくなってから発病したような時は、そのままにしておいても、カボチャは強いので、見かけほどの被害はないです。

特に相当白くなってからでは、多少薬剤を散布しても、病勢の進み方が早く、とても防ぎきることはできませんから、そのままにして果実が成熟するのを待って収穫します。

ただし、収穫後の茎葉は引き抜いて乾燥のあと焼却し、翌年への病原菌の持ち越しを断ち切ってしまうことが大切です。

カボチャの他、キュウリ、メロン、イチゴなどに発病が多く、温室内のように乾くところの栽培ではトマトにも出ます。

カボチャのうどん粉病のウイルスを伝染させないようにトマトなどはそばに植えるのは控えましょう。

3.カボチャ栽培について

カボチャの基本的な育て方について下記にまとめています。

普通の栽培はある程度知っていて、より「収量が増え」「病害虫を減らす」「美味しい」カボチャを育てたい、場合は【畑に直植え】や【草むら植え】をしてみてはいかがでしょうか?

また、カボチャのコンパニオンプランツをしてみたい方は下記もどうぞ。

カボチャとの混植に「オオムギ」「長ネギ」「トウモロコシ」がオススメです。効果と植え方をまとめています。

最後に、カボチャ栽培のよくある質問は下記を参考にしてください。

完熟の目安や苗づくりをまとめています。