草むら植え
効果
キュウリは蔓(ツル)性なので、周りに蔓を絡ませることができる草が生えてきてから、遅れて発芽する性質があります。
キュウリにとって、まわりの草は「ゆりかご」の役割を果たしています。
そのため、草の生えた畝にキュウリの苗を植えつけて地這いにすれば、キュウリは自然生態に近い状態の中で、健全に育っていきます。
植え方
草の中で栽培するため、生育初期に草に負けないように、普通栽培と同じように苗を植えつけます。
種を畑に直まきすると、草に負けてよく育たないことがありますので、苗を植える畑には、草を繁茂させておきます。
植えつけの3週間前には、苗を植える位置から直径30cmの範囲に生える草を、低く刈り取ります。
そして、中心から直径15cm程度まで、完熟堆肥を入れてよく耕します。
苗は、周囲の草に巻きひげを絡ませて生育します。
地這いでは、より自然状態に近い状態で育てられますが、果実が雑草などに隠れ、肥大に気づかないことがあります。
また、生育途中で栄養不足になりやすいので、追肥で栄養分を補います。
苗の植えつけから2週間をめどに、株元の草を低く刈り込んだ場所に、ボカシ肥を施し土となじめます。
畑に直まき
効果
キュウリは、苗を植えて育てるのが一般的ですが、実は種を畑に直まきした方が結果として樹勢が強くなります。
苗は、温室など畑とは異なった環境で育てられます。
一方、直まきすれば、その畑に適応した株を残すことができ、その結果、苗を植えつけた場合に比べ、樹勢が強くなります。
植え方
直まきでは、苗を植えつけた場合より土や気温の影響を受けやすいので、土作りが重要です。
畑には、種をまく4週間前に、完熟堆肥と有機質肥料を施し、十分に馴染ませておきますが、害虫を誘引するおそれがあるので、種をまく位置から直径20cm〜30cmの範囲には施しません。
種は普通栽培で苗を植えつけるのと同じ頃、支柱のすぐ横に、株間60cmで一穴に3粒ずつまきます。
穴の中の種は、発芽したときに子葉がぶつからないよう、やや離しておきます。
本葉が子葉の間から出てきたら、間引いて1本にし、そして、まわりの草を抜き、早めに株元に藁を敷きます。
蔓が伸張すると、巻きひげが自然にネットに絡みますが、うまく絡まない場合は、最初だけ誘引して、紐で固定します。
樹勢が強い分、吸肥力も強くなるので、よく発酵したボカシ肥を、2〜3週間間隔で3回に分けて追肥します。
収穫が遅れると、栄養分が果実の中の種に送られ、他の果実の肥大が悪くなるので、早採りして樹勢を維持します。
株元連続まき
効果
キュウリは、株が若く主枝から果実を収穫しているうちは、樹勢が強く病害虫もあまり発生せず、収穫できる果実もまっすぐで高品質なものです。
ところが、キュウリは株の老化が早いため、側枝から収穫する時期になると、樹勢が弱まり、病害虫が発生していきます。
そこで、最初のキュウリの株が旺盛に生育しているうちに、株元に次の株の種をまいて、途中で若い株に更新します。
こうすることで、長期間にわたり、高品質の果実を収穫し続けることができます。
植え方
株元連続まきでは、主枝の各節に果実がつく節なり系の品種を用います。
苗は普通栽培と同じように準備して、植えつけます。
その後、ネットの中断まで生育したら、株元に次のキュウリの種を1穴に3粒まきます。
そして、本葉が伸びてきたら、間引いて1本にします。
古い株は、主枝の収穫が終わったら、側枝からは収穫せずに株元から切り取り、根は取り除かずに残しておきます。
そして、よく発酵したボカシ肥を畝の肩と通路部分に施して土となじませます。
新しい株の根は、古い株の根に沿って伸長します。
このため、根をより深く広域に伸ばせます。
樹勢が強く、病害虫もほとんど発生しないため、無農薬でも健全に育ちます。
おわりに
この記事では、キュウリの上手な植え方について紹介しました。
下記では、キュウリの育て方や栽培のコツなどをまとめています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。