1.キュウリ栽培について
キュウリは雌雄異花のつる性の1年草で、日本では白イボで果皮に光沢のある品種が多いです。
浅根性のため乾燥に弱いので、土作りでは有機物を多く入れるように心がけます。
果菜類の中でも発芽から収穫までがおよそ約60日と短く、収穫適期も開花から7日程度なので、時期を逃さないことが大切です。
生育最盛期は朝夕2回収穫できるほど生長が早いので、毎日様子を見る必要があります。
また、ウリ科の野菜は連作すると土壌伝染性の病害(つる割れ病)が発生し、致命的な打撃を受けるので、輪作か接木苗の購入をオススメします。
2.キュウリの品種について
①つばさ(暑さとい病気に強く、生育旺盛)
②南進(ツヤのある濃緑色、耐病性に優れる)
③夏すずみ(ベト病に強く、栽培も容易)
④さつきみどり(食味良好。栽培容易で収穫期は長い)
⑤よしなり(初心者に向く、病気に強い品種)
⑥ベランダキュウリ(イボなしミニキュウリ、プランター栽培)
3.キュウリの栽培方法
土作り
日当たりの良い場所が適し、キュウリは浅根性で水平に分布しているので、深く耕し、酸素を十分に供給することが大事です。
有機物を多量に施し通気性を改善しましょう。
まず、植えつけの2〜3週間前に苦土石灰を畑全面に散布し、よく耕します。
次に、1週間前に堆肥、油粕、化成肥料、ようりんを畑全面に散布し、土をなじませます。
2条植えの場合、畝幅120cm、高さ15〜20cmとし、マルチを張っておきます。
1条植えでは、畝幅60〜100cmとします。
種まき・植えつけ
生育適温は18℃〜28℃と冷涼な気候を好みます。
ただし、霜には弱く、10℃〜12℃以下では生育しません。
苗は購入苗を使うのが無難ですが、直まき、苗づくりからおこなうことが可能です。
直まき
直まきの場合、種まきは5月上旬〜6月上旬です。
直径20cmくらいの円形の畝をつくり40〜45cm間隔で3〜4粒ずつ種をまき、間引いて、本葉4〜5枚の時に1本立ちにします。
種まきした際に、上から軽く押さえて、土になじませると発芽率が上がります。
また、発芽するまでは25℃〜30℃くらいに温度を保つと、発芽率が上がります。
ポット植え
ポット植えをする場合は、5月上旬に10〜12cmポリポットに3粒の種をまきましょう。
発芽後2本立ちにし、本葉1枚が完全に展開したときに、生育のよいものを残して1本立ちにします。
植えつけ
6月上旬〜7月上旬で本葉が3〜4枚になったら植えつけ適期です。
条間60cm、株間40〜45cmの2条植えにします。
苗を購入して使う場合は早めに植えつけができます。(4月下旬〜5月上旬)
市販の苗は自根苗と接木苗があります。
接木苗は値段が高いですが、つる割れ病(連作障害)に強く、生育旺盛なのでオススメです。
また、植え方を工夫することで収量がアップしたり樹勢が強くなったりします。
下記には、キュウリの上手な植え方についてまとめています。
管理
支柱立て・誘引
支柱は、1条植えの場合は直立式で、2条植えの場合は合掌式とします。
つるが伸びてきたら、紐などで支柱に誘引しながら栽培しましょう。
整枝
親づるの5〜6節までの側枝(子づる)を摘み取り、風通しをよくし、その上から出る側枝は2節で摘心し、親づる1本仕立てとします。
親づるが支柱の高さに達したら、摘心して、側枝は放任します。
敷きワラ・水やり
梅雨の時期は、株元に敷きワラをし、泥の跳ね返りで葉が汚れるのを防ぎます。
乾燥が続く夏期には、朝方、夕方に十分水やりをしましょう。
追肥
肥料ぎれしないように15日〜20日ほどの間隔で追肥していきましょう。
収穫
最初の2〜3個の果実は、株を疲れさせないために若どりしましょう。
それ以後は、18cm〜20cmくらいまで生長したらどんどん収穫しましょう。
4.よくある生育不良・おもな病害虫
「曲がり果や尻太果が増えた」「キュウリの先端が細い」「キュウリが苦い」などのよくある生育不良や、ベト病、つる割れ病などのおもな病害虫を下記にまとめています。
5.まとめ
①収穫適期が短いので遅れないようにする。
②整枝をきちんと行い、枝を混ませすぎない
③ウリ科の連作は致命的病害(つる割れ病)が生じるのでやめる。
④有機物を多く耕して土づくりをする。
⑤こまめに追肥をして肥料切れを避ける。
下記には、キュウリの上手な植え方や栽培のコツなどをまとめています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。