1.芽をはやく出させるためには?
サトイモは、熱帯地方原産であるだけに高温を好み、25℃〜30℃の気温と20℃〜27℃の地温でよく育ちます。
普通は、4月中旬ごろに畑に植えつけますが、この頃の温度は、適温よりも10℃程度低いので、なかなか芽を出してくれません。
早く芽を出させ、早く収穫しようとするときや、前作の関係で畑が空いていない時などには、あらかじめ温度をかけて芽出ししたものを植えつけると、良い結果が得られることが多いです。
その場合、植えつけの1ヶ月ほど前に、土を耕したところへ種イモを並べ、その上に5cmほど覆土し、たっぷり水をあげてから、ビニールトンネルで覆います。
密閉したままで温度を高め、芽が5〜6cmに伸びた頃に、畑に植えつけ、水やりを怠らないようにしましょう。
もう一つは、畑に植えつけてから畝全体をビニールかポリエチレンフィルムで覆う方法です。
このときも、乾くところではたっぷりと水やりをしてから、覆うようにします
芽がどこから出るかわからないので、前もって穴を開けられないため、芽が伸び始める頃に注意してみまわり、芽のところに穴をあけて、地上に出してやることを忘れてはいけません。
高い温度で水分を切らさないことが、サトイモづくりには大切な条件です。
2.土寄せの時期は?やり方は?
土寄せをせずにそのままにしておくと、増えた子イモ・孫イモの芽が伸びてきて、大きな葉のつけ根を持った、細長い、太りの悪いイモしかつかず、形、肉質ともに悪くなり、品質が落ちてしまいます。
盛んに成長してきた5月中旬〜下旬ごろ、通路に肥料をばらまき、土をやわらげながら株元へ土を寄せます。
このとき太い芽を一本だけ残して、他はかき取ってしまいましょう。
その後、梅雨あけごろまでに、同じように2回目の土寄せをします。
このときは、子イモから出た小さな芽を、全部まとめて土で押さえてしまうように土寄せします。
サトイモは、乾燥に弱い代表的な野菜といっても良いほどです。
乾きやすい畑では土寄せの時に、畝の上に乾燥を防ぐための敷き草や敷きワラをしてやれば、申し分がありません。
土寄せと追肥・除草・芽の整理は、同時に行うようにするのが能率的です。
3.サトイモの保存方法は?
サトイモの保存には、12℃以上の温度と90%以上の湿度が必要です。
収穫したサトイモは、翌年の春まで深めの穴の中に入れて保存します。
穴の中は、適度な湿気があり温度も一定になります。
深さ50cmくらいの穴を掘って、底にもみ殻を敷いてイモを並べ、さらにもみ殻で覆って土を厚くかぶせる方法が一般的です。
親イモと子イモを離さず、茎の切り口を下に向けて埋めるのがポイントです。
下に向けると塊が崩れにくく、切り口がないので水がしみ込みにくくなり、結果として腐りにくくなります。
土の上には、雨水がしみこまないように、ビニールなどをかけておくと良いです。
こうして保存したイモは翌年の種イモにもできますし、ちなみに、サツマイモも同様の方法で保存できます。
4.青果店で買ったサトイモを植えることはできる?
土がついたままの品質が良いものであれば、植えつけできます。
大きさは中くらい、芽がしっかりとついていて、全体的にふっくらとした形のよいもの、腐敗や病斑がないものを選びましょう。
5.ビニールマルチは必要?
4月中旬〜下旬に植えつけなので使用しなくても問題ありませんが、ビニールマルチをすることで地温を上げ、初期の生育をよくすることができます。
芽が土から出てくる時期、出る方向が曲がると、ビニールに引っかかって穴から芽が出ない場合があるので注意しましょう。
詳しく下記にビニールマルチを使用した栽培方法を載せてあります。
6.親イモは食べることができる?
食べることができますが、美味しいかどうかは品種次第です。
サトイモの品種には、子イモ専用、親子兼用、親イモ専用の他に、葉柄を食べるズイキのあわせて4つの系統があります。
「石川早生」などの子イモ専用品種は子イモが美味しいです。
親イモを食べるなら、収穫から2〜3日以内の新しいものがよいでしょう。
「赤芽イモ」などの兼用品種と親イモ専用の「ヤツガシラ」は、むろん食べることができます。
おわりに
この記事では、サトイモの栽培のコツを紹介しました。
下記では、サトイモの基本的な育て方や上手な植え方についてまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。