1.症状と被害
つる割れ病はフザリウム菌が原因となる病気で、フザリウム菌は5〜10月に活発な土壌伝染性のカビの一種です。
フザリウム菌が原因となる病気はたくさんあり、萎凋病など、野菜によって病名が異なります。
つる割れ病‥‥ウリ科、サツマイモ
萎凋病‥‥トマト、エンドウ、ほうれん草、ゴボウなど
立枯病‥‥カボチャ、枝豆、そら豆など
赤枯病‥‥ラッキョウ
根腐病‥‥インゲン、エンドウ、レタス
萎黄病‥‥アブラナ科、セロリ、イチゴ
病原菌は根から侵入し、茎やつるまで上がっていきます。
つるや茎葉のところどころが、日中にしおれるようになり、下の葉から黄化してきます。
やがて株全体が生気を失い、病気が進行すると茎の地際部分から白いカビが発生したりヤニ状の粘着物をともなう褐色斑が見られるようになります。
しだいに株全体がしおれて黄化し、枯死に至ります。
フザリウム菌は宿主特異性といって、寄生できる植物が決まっています。
例えば、トマトにつくフザリウム菌は、ほうれん草にはつきません。
そのため、トマトの萎凋病が出た畝で、後作にほうれん草を作っても問題ありません。
2.つる割れ病にかかりやすい野菜・植物一覧
キュウリ、スイカ、マクワウリ、メロンなどのウリ科植物、アサガオなどが発病しやすいです。
アサガオ、キュウリ、ヘチマ、メロン、スイカ、ユウガオ、トウガン、サツマイモなど
3.原因と伝染経路
連作すると出やすくなります。
病原菌は土壌中で長く生存することができるので、根の先端などから侵入する土壌伝播、あるいは汚染種子による種子伝播が感染源となります。
ネコブセンチュウが根を傷つけたときや、根が腐ったときに菌が入りやすくなります。
ウリ科植物を連作した場合、酸性土壌の場合に発生しやすく、また窒素肥料を多く発生しすぎると発病を助長します。
4.防除と対策
連作すると病原菌が増えてしまいますが、輪作や多品種栽培をすると特定の菌が増えるリスクを減らします。
ネコブセンチュウ対策として、エンバクの間作や輪作をするとセンチュウ密度を下げることができます。
水はけの悪い畑は高畝にして、根腐れを防ぎましょう。
また種子伝染するので種子消毒をしてから種をまくようにしましょう。
抵抗性品種の種や苗を利用するのも良いです。
キュウリやメロンなどの果菜類は、接木苗を選んで栽培しましょう。
ネギの寄せ植えも土壌消毒効果があり有効ですよ!
5.治療方法
発病したら
発病した株は畑に残しておくと感染源になります。
根ごと引き抜いて小さく刻み、抜き取った穴に埋めましょう。
効果のある薬剤・農薬
病原菌が根から侵入するため、発病後の薬剤による治療はできません。
サツマイモは苗の基部をベンレート水和剤につけてから植えましょう。
キュウリはベンレート水和剤を株の周りの土にしみ込ませます。
周囲の土壌に行き渡らせることが大切です。
おわりに
この記事では、つる割れ病の原因と防除方法について紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気と害虫を一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。