1.オクラ栽培について
オクラは、原産地のアフリカから中近東、インド、東南アジアに伝わり、日本には幕末にアメリカ人によって持ち込まれました。
熱帯では、多年草ですが、10℃以下の低温にあたると生育が止まり、霜が降りると枯れてしまうので日本では一年草として扱われます。
暑さに強く、真夏の午前中に黄色い大きな花が咲き、花の数だけサヤをつけ収穫することができます。
オクラは五角形のものから、丸型、多角形型などがあり、品種によっては1〜2mに生長します。
2.オクラの品種
①アーリーファイブ(栽培しやすい、初心者向き)
②島オクラ(地方品種、丸型)
③ベニー(表面が赤い、茹でると緑色に変わる)
④ピークファイブ(肉厚で草丈が低く、育てやすい)
⑤グリーンスター(耐病性に優れ、育てやすい)
3.オクラの栽培方法
土づくり
土壌への適応性は広いですが、根が直根性なので耕作地の土はなるべく深く耕しましょう。
まず、種まきの2週間前に苦土石灰をまき、よく耕し、1週間前に完熟堆肥と化成肥料をまき、よく耕します。
次に、畝幅は70〜80cm、高さ10cmで畝を作りましょう。
ちなみに、土壌の適正酸度は6.0〜6.5です。
オクラは連作障害によってネコブセンチュウを増やす作物ですので、必ず3年間は同じ場所での作付けを避けましょう。
種植え・植えつけ
種植えは、4月下旬から5月中旬におこないましょう。
日当たりの良い場所で生育し、発芽適温は25℃〜30℃、生育適温は18℃〜30℃で、熱帯性の野菜なので高温を好みます。
直まきは株間30cm、深さ2cmのまき穴に4粒ほどまき、軽く土を被せて水をやります。
オクラは直根性で移植を嫌うので直まきがオススメです。
もし、ポットまきを行なう場合には7.5〜9.5cmのポットに3粒まき、移植時期の植え痛みを減らすために若苗で植えつけするようにしましょう。
株間は30cm〜45cm、植え穴に十分な水を入れ、水が引いてから植えつけます。
オクラは硬実種子で、種皮が硬いので一昼夜水につけてからまくと、皮がふやけて発芽が良くなります。
オクラには多粒まきという種まきの方法があります。
一つの穴に4〜10粒の種をまく方法です。
密植気味に育てると樹勢がちょうど良い程度で抑えられてよく育ちます
下記にオクラの多粒まきについて詳しくまとめています。
管理
間引き・除草・整枝
双葉が展開したときに2本に間引き、本葉が2〜3枚になった頃に1本にします。
また、草が生えてきたら除草しましょう。
収穫後、オクラのついた位置より下側に葉を1〜2枚残して、その下側を切り取りましょう。
草丈が低い時期に葉を取りすぎると生育の勢いが悪くなるので、あまり取らない方が良いです。
梅雨明けごろ、生育が旺盛になったらしっかり下葉をかき取りましょう。
肥料ぎれなどで生育が悪い時は、多めに葉を残しましょう。
1回目の追肥・土寄せ
収穫開始時期に化成肥料を株元へ施して軽く土寄せします。
2回目の追肥・土寄せ
1回目の後は月に2回ほどのペースで追肥、土寄せをおこないましょう。
収穫
開花後約一週間後、莢の長さが5〜6cmの頃を目安に収穫します。
莢が大きくなると硬くなり食用にできなくなっていきます。
特に、夏場はすぐに大きくなり、収穫適期が短いので、よく観察し収穫しましょう。
収穫作業で皮膚が痒くなる場合は、手袋をして長袖を着るなどの対策がオススメです。
4.発生しやすい病害虫
病気
斑点病が見られますが特に害は見られません。
収穫期になり、取り終えた節の下、2葉を残し、以下の葉を切除していくことで風通しが良くなり、斑点病の発生が少なくなります。
害虫
アブラムシ、カメムシ
発生したら農薬散布で防除しましょう。
ネコブセンチュウ
ネコブセンチュウは根の中に寄生して養分を吸い取り、根を腐らせたり根にコブをつくったりします。
連作を避けて予防したり、マリーゴールドとの混植で被害を軽減したりしましょう。
5.よくある生育不良
大きくならない
オクラが大きくならないのは、日照不足、栄養不足、もしくは気温が低いために起こります。
栄養不足の場合は、2週間ごとに少量ずつ追肥をして様子を見ましょう。
コンテナ栽培の場合は、容器が小さいことも考えられます。
根鉢を崩さないように大きなコンテナに植え替えましょう。
花が咲かない・実がつかない
窒素分の過多によるつるぼけです。
オクラは吸肥力が強く、元肥、特に窒素分が多すぎると、木の勢いばかりがよくて実がつかなくなりますので、土作りの際に、有機物を多めに施しましょう。
また、下葉を摘み取って養分を実に回しましょう。
収穫したオクラの下の葉2枚を残して、下の側枝を切ることで、着果と風通しが良くなります。
オクラが曲がる
オクラの曲がり果は草勢が強すぎても弱すぎても発生します。
株全体のバランスが崩れていますので、弱すぎる場合は追肥と水やりで補い、葉が手のひら大に大きくなっていたら強すぎなので、下葉を摘み取りましょう。
6.まとめ
①耐寒性が弱いので、保温・防寒に注意
②タネはまく前に一昼夜水に漬ける
③オクラは直根性なので、直まきがオススメ
③収穫したオクラの下の葉2枚を残して、下の側枝を切る。
この記事では、オクラの基本的な育て方・栽培方法について紹介しました。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。