1.カメムシの被害
カメムシ類は茎や葉などを吸汁するグループと野菜や果実などの子実を吸汁するグループに分けられます。
新芽や花が寄生されると縮んだり奇形となって生育が妨げられます。
果実が寄生されると被害を受けた果肉部がスポンジ状になり、そこから腐ってきたり成長が止まり奇形になったりします。
特に、水分不足のときやサヤや実が太り出す頃に吸汁されると、枯れる、収穫できないなどの被害が出ます。
様々な野菜につく中で、こうした被害にあいやすいのがマメ類で、ナス科はホオズキカメムシ、アブラナ科はナガメ(上記写真のカメムシ)がつきやすくなります。
カメムシは、ときに大発生をして農作物に深刻な被害をもたらすので、地域の「病害虫発生情報」に注意報が発表されることもあります。
2.カメムシが発生しやすい野菜・植物一覧
ウメ、カキ、モモ、柑橘類、枝豆、そら豆、ピーマン、ナス、ジャガイモ、ホオズキなど
3.カメムシの生態
九州から東北までほぼ全国的に発生し、年によって発生量の変動が激しいのが特徴です。
春になると、山や草むらなどの越冬場所から飛んできて、触ると嫌な臭いを出し、ヘクサムシやヘッピリムシなどと呼ばれています。
色彩や模様は変化に富み、日本では約1000種類以上、世界では約3万5000種もの種類がいます。
体長5〜20mm、群がるように植物のあらゆるところに針状の口をさして吸汁します。
年1〜2世代の発生があり、成虫は、落ち葉の中で越冬するものや、樹皮や建造物の中や室内に集団で入り込み越冬するもの、常緑樹の葉の上で越冬するものなどがあります。
4月〜5月は数が少ないですが、春に産んだ卵が孵化して、6月から徐々に増え出し、野菜の収穫時期になると多発します。
チャバネアオカメムシは、スギやヒノキの実に産卵し、孵化した幼虫はそこで成長し成虫は7〜8月に発生するものが多いです。
天敵の少ない畑では被害が多くなりますよ。
元気な株にもつきますが、肥料を与えすぎた株や生育不良の株は集められやすくなります。
4.カメムシの防除・対策
カエルや寄生バチなど天敵の住みつく畑づくりをすると、被害が抑えられます。
枝豆ぐらいの草丈なら、収穫するまで防虫トンネルを被せておくと防ぐことができます。
落ち葉の下や雑草地で越冬するので、落ち葉の処分や除草をしっかりおこない、成虫が越冬する場所を作らないようにします。
また、果樹類は袋がけをして防除しましょう。
5.カメムシ駆除の方法
発生したら
移動性があり、薬剤の散布時期を見逃しやすく、厄介な虫です。
幼虫や成虫を見つけたらすぐ捕殺をすることが大切ですが、強くつかむと悪臭を放つので、ガムテープなどでとるのも方法の一つです。
または、卵の段階で手で潰すか、葉ごと切り取って処分しましょう。
効果のある薬剤・農薬
特に果樹やマメ類の被害が大きく、該当する植物に登録のある薬剤を、発生に合わせて繰り返し散布します。
枝豆、サヤエンドウ、サヤインゲン、そら豆、トウモロコシはスミチオン乳剤を、
ウメ、リンゴ、カキ、モモ、さくらんぼなどはベニカ水溶剤を、
キウイにはベニカベジフルスプレーを散布します。
多くのカメムシは日没後に飛来するので、薬剤は早朝か夕方におこないましょう。
おわりに
この記事では、カメムシの被害・生態・防除方法について紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気や害虫について一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。