緑肥作物とは一体どのようなものでしょうか?
緑肥作物を栽培サイクルにうまく取り入れることで様々な良い効果を得ることができます。
この記事では、堆肥の中でも緑肥作物についてまとめています。
緑肥作物とは
植物の若い葉にはチッソ、リン、カリなどの肥料成分が含まれていることが多いです。
その植物を田畑にすき込み、肥料として利用するのが「緑肥」で、そのために育てる植物を「緑肥作物」といいます。
レンゲやエンドウなどのマメ科の植物、トウモロコシなどのイネ科目の植物が緑肥作物として主に知られています。
しかし、収穫残渣をすき込む場合は、病気を発生させることもあるので注意しましょう。
緑肥作物をすき込む方法
まず、育てた緑肥作物を際から刈り取り、その後に、長いものは刈り取って細かく切り、土に混ぜ込むようにしながらすき込みましょう。
すき込んだ後は、十分に分解させるために1〜2ヶ月ほど置いているのが良いです。
大きすぎると分解するスピードが遅くなりますよ。
緑肥作物の種類
アブラナ科
シロカラシ | 有害線虫を抑制する |
---|
マメ科
レンゲ | 若い茎葉は窒素含有量が多く、分解が速く、窒素分の肥料効果として即効性あり |
---|---|
シロツメグサ | 根粒菌による待機中の窒素固定効果が大きい。分解も速い |
ヘアリービッチ | 雑草抑制効果あり(アレロパシー効果) |
クロタラリア | 線虫類に対して高い抑制効果あり |
クリムゾンクローバー | 線虫類に対して抑制効果あり |
イネ科
ライ麦 | 初期生育が王政、短期間で緑肥として利用可能。線虫類の抑制効果あり。 |
---|---|
エンバク | 線虫類に効果あり。キスジノミハムシの発生抑制に効果あり。 |
ソルゴー | 線虫類に効果あり。キスジノミハムシの発生抑制に効果あり。 |
キク科
マリーゴールド | 線虫抑制に効果あり。 |
---|---|
ひまわり | 生育旺盛で短期間で土壌表面を陰にするので雑草予防効果あり。茎葉も大きく有機物の生産量も大きい。 |
コスモス | 緑肥用のコスモスは背丈が高くなり他のコスモスよりも有機物生産量が多い。 |
緑肥作物の効果
緑肥には肥料としての効果が勿論ありますが、それだけではありません。
肥料としての効果の他にも効果が期待されます。
土壌の団粒化を促す
緑肥作物をすき込んで時間をおくことで土壌中の有機物が増えて、様々な微生物のバランスが保たれ、有害微生物の発生を減らすことができます。
また、根の成長によって土壌の団粒化が促されます。
特に、根を深く伸ばす緑肥作物では下層の土壌を柔らかくするとともに、土壌の深い部分から養分を吸い上げる効果もあります。
自分の畑が団粒構造になっているかは、畑に棒を刺すと良い。団粒構造ができている畑では、地中深くまで棒が刺さる。
過剰になった肥料分を減らす
窒素やカリなどの肥料分が過剰に残っている畑では、緑肥作物を育てて肥料分を吸収させ、それを刈り取ってすき込まずに畑から持ち出すことで、過剰になった肥料分を減らすことができます。
センチュウ類抑制効果
緑肥には、先ほど、「緑肥肥料の種類」にも記述した通り、作物に被害をもたらすセンチュウ類による被害を抑える効果があります。
マリーゴールドやシロカラシなどはセンチュウを駆除する成分をつくるため、緑肥にすると土壌中の線虫密度を減らすことができます。
エンバクなどは根に侵入したセンチュウの増殖を抑えますし、クリムソンクローバーのように線虫を餓死させるものがあります。
まとめ
①植物の若い葉を田畑にすき込み、肥料として利用することを「緑肥」という
②そのために育てる植物を「緑肥植物」
③肥料、団粒化を促す、過剰な肥料分を減らす、線虫の抑制、の4つの効果がある
緑肥作物をすき込む場合、作物の作付けは、すき込んだ緑肥作物が十分分解されてからしましょう。
すぐに野菜を育てると病気を発生させる可能性が出てきます。
夏は緑肥作物をすき込んで、1ヶ月、秋冬などは2ヶ月ほど期間をあけましょう。
下記では、緑肥作物についてもう少し詳しくまとめています。