土と肥料

緑肥の種まきとすき込み方・注意点【保存版】

「緑肥を使いたいけど実際にどうやるの?注意点って?」

実際に緑肥作物を植えるとなったときに何も考えずに植えるともったいないですよ。

せっかく緑肥作物を植えるのですから、しっかりと緑肥作物を植えるときのポイントや注意点を抑えて、緑肥をより良いものにしましょうね。

「そもそも緑肥とはなんぞや?」と言う方はまずは下記をご覧ください。

緑肥の種まきとすき込み方

種まきのポイント

種のまき方は基本的に野菜や花と同じです。以下はまき方3通り。

①畝など土の表面に均一に種をまく「ばらまき」、②溝を作って列をなすように種をまく「条まき」、③一定の間隔でくぼみを作り、そこに数粒ずつ種をまく「点まき」があります。

 

緑肥は輪作の一環として育てることが多いので、ばらまきや条まきで種をまくことが一般的です。

 

種をまくときに気をつけたいのが、覆土とその厚さです。

特にマメ科のヘアリーベッチやイネ科のエンバクの品種の中には、大粒の種のものがあり、それらは地表面に置かれただけでは、水分をうまく吸収できず、発芽することができません。

また、鳥や畑や花壇に降りてきて、種を食べてしまうことがあります。

 

そのため、種をまいたら、必ず覆土するようにしましょう。

その後、土を軽く鎮圧しておくと、種が水分を吸収しやすくなり、発芽を早めて、順調に茂ようになります。

覆土する厚さは、種の直径の3〜5倍を目安にしておくと良いでしょう。

すき込みのポイント

農家であれば規模が大きいので、トラクターやロータリーなどの農業機械を使ってすき込みますが、家庭菜園では、スコップやホーなどの農具があれば十分です。

 

基本的には、スコップなどで緑肥作物を根から掘り上げて倒伏させ、そのまま土の中に埋めておきます。

分解を早く進めさせたい場合は、あらかじめ鎌やナタなどで作物の茎葉を細かく切断しても良いでしょう。

 

もし小型耕運機を持っていれば、マリーゴールドやクローバなど草丈の低いものなら、そのまま倒伏させながら、すき込んでしまうこともできます。

緑肥のすき込みは葉色が黄色の状態で、体内に最も有機物を蓄えている時が最適です

成熟して葉が黄化してからすき込んだのでは、土の中での分解に時間を要します。

また、種ができてかたすき込んでしまうと、後で芽を出してしまい。除草作業が大変です。緑肥は青刈りを基本とし、必ず種をつける前にすき込むようにしましょう。

以前、種をつけるまで緑肥を放っておいてしまい、それをすき込んでしまったので後々大変なことになりました‥「種をつける前に」これは特に大事です。

緑肥使用の注意点

病原菌を増やす場合もある

植物の根から分泌される糖やアミノ酸あるいは死細胞などが微生物のエサとなるため、根の近く(根圏)には多種多様な微生物が集まります。

逆に、微生物は土の中の有機物を分解し、根に養分を供給します。

 

このように植物の根と土の中の微生物は共存関係にあります。

ただし、植物の種類ごとに、その根圏に生息できる微生物と、生息しづらい微生物がいます。

特定の作物ばかり育てた土の中では、微生物の種類に偏りができて、連作障害の大きな原因になってしまいます。

 

 

多種多様な微生物を育むためには、多くの種類の作物を栽培し、様々な有機物を土の中にすき込むことが欠かせません。

混植や輪作の一環として栽培でき、すき込むことで微生物のエサとなる緑肥は、土の生物性の改善にとても適しています。

 

しかし、増殖する微生物の中には、病原菌も存在しています。

生物相が富み、互いに拮抗関係が築かれている上では問題ありませんが、すでに病原菌による害が見られるようなら緑肥の使用は避けましょう。

土壌病害が多発する畑では例え完熟堆肥でも病原菌を増やすことがあるので十分な注意が必要です。

種バエの発生に注意

緑肥をすき込む際に、もう一つ気をつけなければならないことがあります。

 

それは、春先に緑肥をたくさんすき込むと、種バエが大量に発生してしまうことです。

種バエとは、日本全土に分布する害虫で、種子の中に卵を産みつけるため発芽が悪くなります。

 

幼虫は白色〜乳白色のウジ虫で老熟幼虫は6mmくらいの大きさになります。

成虫は5mm程度の大きさのハエで、未熟堆肥や鶏ふん、油かすなどの有機物の腐った臭いのするところや、耕起したばかりの湿った土に集まり、土の塊が地面と接している部分に点々と、またはまとめて産卵します。

3月下旬〜4月上旬頃から羽化し始め、年5〜6世代を繰り返します。

一般に春と秋に産卵数が多く、夏は産卵数が少なくなります。

 

成虫は未熟な有機物に誘引されるため、種バエの発生を防ぐためには完熟堆肥を施すことが基本です。

緑肥や未熟堆肥をすき込む場合には、種バエが羽化する春先以外に使い、早めにすき込むようにします。

また、水分の多い状態で耕起すると成虫を誘引してしまうので、土の湿気が程よい時に早めに耕し、整地しておきましょう。

おわりに

この記事では、緑肥作物を植える際の注意点、コツを紹介しました。

コツがわかったらいよいよ植えつけていきましょう。

下記に緑肥作物の種類を一覧にしてまとめましたので、植え付ける際の参考にしてください。