前年度に野菜を育てた土地で、新たに野菜を育てると病気が発生することがあります。
野菜の連作障害という言葉をよく聞きますが、連作障害とは一体なんでしょうか?
この記事では、そんな連作障害についての原因や対策をまとめています。
連作障害とは
連作とは、同じ野菜を同じ場所で続けて栽培することです。
連作障害とは、連作することで一定の栄養分だけ減り、うまく育たなくなりがちで、また、同じ野菜を好む病害虫がいついて被害を受けやすくなったりすることです。
野菜は種類ごとに必要とする栄養分が違います。
連作障害を防ぐために(輪作)
連作障害を防ぐためには、異なる科の野菜を順番にローテーションで栽培することが大切です。
そういった栽培方法を輪作と呼び、輪作では、野菜の植える順番がポイントです。
植物学上の分類である科が同じ作物、同じ病害虫が発生する作物、必要とする養分の傾向が似ている作物など、生理的生態的傾向が似ているものが連続しないようにしましょう。
そうすることで、栄養分の吸収が偏らないだけでなく、根の周囲の微生物が多様化し、土壌の生態系が安定し、作物が健全に育ちます。
連作の栽培プランは畑を4区画ほどに分けて、区画ごとに異なる科の野菜を育てます。
一年ずつ区画をずらして栽培していくと、元の区画に戻っても連作障害は起きにくくなります。
輪作年限【野菜別一覧】
連作障害を避けるための期間は輪作年限と呼び、野菜ごとに違います。
連作障害が出にくい野菜もあるので、間にそういった野菜を入れて栽培プランを立てていきましょう。
輪作年限1年 | モロヘイヤ、ほうれん草、カブ、インゲン、ネギ、大根、人参、枝豆、春菊、ターサイ、水菜、キャベツ、白菜、ブロッコリー、ノボウナ、カリフラワー、高菜 |
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輪作年限2年 | カボチャ、ゴマ、オクラ、イチゴ、ショウガ、レタス |
輪作年限3年 | 里芋、キュウリ、ウリ、スイカ、ゴーヤ |
輪作年限4年 | じゃがいも、ナス、ピーマン、トマト、エンドウ、シシトウ、トウガラシ |
連作障害が出にくい | ニンニク、玉ねぎ、とうもろこし、大葉、サツマイモ、空芯菜、ミョウガ |
間作と混作
輪作を上手に行う方法として「間作」と「混作」があります。
同じ畑に複数の作物の作付けをほぼ同時におこないます。
間作
間作では作物の畝間や隣接畝に別の作物を育てます。
例えば、大根の畝の通路にムギをまき、ムギを育てている畝と畝の間にスイカを作り、麦の収穫が終わった後にその場所はスイカ畑になるという具合です。
混作
トマトとニラ、メロンとキュウリ、ゴボウとほうれん草など、コンパニオンプランツの組み合わせを同じ畝で作ります。
おわりに
①同じ野菜を同じ場所で続けて栽培すると生育不良になることがある(連作障害)
②連作障害は野菜によって異なり、連作を避けるための期間を輪作年限と呼ぶ
③連作障害を防ぐために輪作、混作、間作をうまく組み合わせることが大切
この記事では、連作障害について紹介しました。
うまく輪作を取り入れて、病気に強い野菜を作りましょう。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。