白菜について
白菜は西アジア~地中海沿岸が起源のアブラナ科の植物が祖先と考えられます。
2000年ほど前に中国に伝わり、何度かの交配を経て不結球白菜の元になったようです。
さらに中国の北方に伝わり、18世紀ごろに結球白菜に改良されました。
さまざまな品種
白菜は、早生、中早生、晩生の3種類があります。
早生…収穫まで約70日、春まき・秋まき⇒「かすみ」「黄ごころ65」「富風」
中早生…収穫まで約80日、秋まき⇒「オレンジクイーン」「彩明」
晩生…収穫まで90日以上、秋まき⇒「舞風」「雪風」
そのほかにも、珍しい品種もあります。
「お黄にいり」…ミニハクサイの一種。極早生で手頃な食べきりサイズです。
「紫色舞(むらさきしきぶ)」…葉が赤紫色の新品種の白菜。サラダやお漬け物などに彩りを添えます。
「栗原山東(くりはらさんとう)」…半結球の種類。
土づくり
耕土が深く有機質が豊かで、排水と保水のよい土壌にします。
植えつけの2週間前に苦土石灰を、1週間前に堆肥、化成肥料を全面に散布します。
白菜はキャベツよりも水分の吸収量が多いですが、過湿だと根腐れしやすいので、畝を少し高くします。
適正な土壌酸度はpH5.0~6.5です。
種まき・植えつけ
白菜の発芽温度は15℃~20℃、生育適温は20℃前後ですが、結球温度は15℃~18℃で、20℃を超えると生育が抑制されます。
23℃以上になると急に病気が増えますので、気候にあわせて品種と種まきの時期を考慮しましょう。
早くまくと、暑さによって病害虫にやられますし、遅くまくと、白菜がまかない可能性があります。
白菜は連作を嫌いますので、4~5年あけて栽培しましょう。
根の再生力が弱いので、ポットに無菌の種まき用土を入れ、表面にオルトランなどの殺虫剤をまき、種を4~5粒まきます。
好光性種子なので覆土はうすく、夏まきの場合は気温が高いので朝にたっぷり水やりをします。
2週間強で本葉が2~3枚になるので、がっしりとした苗を2~3本残して間引き、その後、本葉3~4枚で2本に間引きします。
狭い場所で苗が混み合うと徒長苗になるので、健全な苗をつくるためにこの間引きが必要です。
ポットまきではなく直まきでも良いです。
その場合は根の張りが良くなります。
管理
一回目の追肥
定植の15~20日後に、株間に化成肥料を30gやります。
二回目の追肥と土寄せ
生長が速いので、追肥時期が遅れないように注意し、1回目の約2週間後に、同量を畝の肩にやり、除草と土寄せをします。
防寒作業と収穫
結球した白菜を手で押して、しっかりとした硬さががあれば収穫期です。
外葉を開いて、根元へ包丁を切り取って収穫しましょう。
まだ適期ではないものは、結球部分に霜害を受けないように注意しましょう。
霜が降りる頃になると、外葉が霜で傷んでむけ、さらにその中が傷んでむける状態を繰り返し、球がどんどん小さくなります。
葉が開かないように縛っておけば、葉の傷みは一番外側だけですみます。
大玉は2~3kg、ミニハクサイは600g~700gぐらいが目安です。
葉が開かないように縛る防寒作業は、早めに行うと、内部に害虫が入ってしまい、すみかとなってしまうので、必ず初霜が降りてからおこなうようにしましょう。
生育不良・病害虫について
根こぶ病について
原因はアブラナ科の連作によって菌の密度が上がって引き起こされます。
酸性の土壌や水はけの悪い畑でより発生しやすくなるので、石灰をしっかり入れて、土壌が酸性に傾かないようにして、水はけの良い畑を作るために高畝にする方がよいです。
害虫について
アオムシやヨトウムシ、コナガ、アブラムシなどが発生しやすいです。
栽培開始時は、温度が高く害虫が発生する時期で、特にヨトウムシは玉の中に入っていくように葉を食べるので、防ぐのが難しくなっていきます。
発生してしまったら早めに農薬をまいて防除しましょう。
あと、アブラムシは葉裏にいますが、発生すると白菜の生育が悪くなるだけでなく、ウイルスも媒介してしまいます。
結球時期に発生してしまうと、玉の中にアブラムシが入ってしまい、農薬で防除できなくなります。
まとめ
①種まきが遅れると冬までの結球に間に合わない。⇒種まきの時期を精査する。
②夏場は種まき後2~3日で発芽する。
③夏まきは寒冷紗での防虫対策が大切。
④過度の水やりは苗を軟弱にしてしまう。
⑤大株は肥料が切れないように追肥中心で。
⑥防寒作業はしっかりおこなう。
この記事では、白菜の基本の育て方・栽培方法について紹介しました。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。