土づくりとは、植物が育ちやすい土壌環境に整備することです。
しかし、自分の菜園が良い土なのか悪い土なのかはなかなか分かりませんし、また、自分の畑がどんな土か分からなければ改善しようがありません。
そこで欠かせないのが土の健康診断(土壌診断、土壌分析)です。良い土の条件については土の物理性、化学性、生物性の3点から整理できます。
この記事では、土の化学性のチェックについて詳しく解説していきます。
土の状態を正しく把握することが、土づくりの第一歩です。
何が不足して何が余分なのか、しっかり確認していきましょう。
化学性以外の、物理性、生物性の観点からの土壌の健康診断の仕方について下記を参考にしてください。
①土のpHを調べる
土の化学性について健康診断をしていきます。
まずは、①土のpH(酸度)を調べていきます。
日本は温暖で降雨量が多く、アルカリ性ミネラルのカルシウムやマグネシウムが流れてしまい、土が酸性化しがちです。
酸性が強いと、植物の根が痛んでしまい、養分の吸収が阻害されるなどして、生育不良を起こしてしまいます。
そのため、土づくりにおいて石灰資材を投入してpHの値が高くなるように(酸性化しないように)調整する必要があります。
しかし、やみくもに石灰資材を投入したのでは、かえって作物のためにならないこともあります。
植物の多くは微酸性から弱酸性の土を好みますが、種類によって適正なpHの値は異なります。これから育てようとしている作物の種類に適したpHの値になるように、石灰資材を必要な量だけ投入しなければなりません。
そのため、土のpHの測定が必要なのです。
測定方法①生えている雑草を見る
一般的には、市販のpH試験液やリトマス試験紙などを使って調べますが、その畑で育っている雑草を見れば酸性土壌かどうか推測することができます。
例えば、酸性土壌でもよく育つ雑草として、スギナやオオバコ、ハハコグサ、カヤツリグサ、スイバなどがあります。
これらの雑草が多く顔をだしていたら、そこの土はpHの値が低め(酸性が強い)と考えて良いでしょう。
降雨によって土は酸性が強くなりがちですが、降雨が少ないと酸性は強くなりません。(pHの値は高くなる)
しかし、雨以外の要因として、施した肥料によってpHが変動する場合があ流ので注意しましょう。
測定方法②pH試験紙を使う
調べたい場所の表面から5〜10cmの深さの土を移植ごてで採取し、コップなどの容器に土1:水2の割合で入れてよく混ぜます。
約30秒後に上澄み液を試験管などに入れて試薬を注ぎ、カラーチャートの色を比較して、pHを読み取りましょう。
測定方法③リトマス試験紙を使う
上記同様に土を採取し、同じ分量で土と水を入れてよくかき混ぜ、落ち着くまで待ち、上澄み液に青のリトマス紙をつけます。すぐ赤くなったら弱酸性、ゆっくり赤くなったら弱酸性、色が変わらなかったら中性ということになります。
②土の養分を調べる
土の化学性のチェックでは、pHの値が適正化どうかに加えて、養分バランスが良いかどうかも調べます。
正確に測定するには、JAなどの専門分析機関で行う必要がありますが、家庭園芸の場合は、市販されている土壌診断キットなどを使うと良いでしょう。
オススメは農大式簡易土壌診断キット「みどりくん」です。メーカーや種苗会社から通信販売で購入するなどして、入手できます。
分析できる項目はpHに加え、チッ素(硝酸態チッ素)、リン酸、カリの必要最低限の養分についてです。たったの5分間で診断できます。
おわりに
土の化学性についてチェックするには、土のpHと養分をチェックすることが大切になってきます。県農やJAなどで土壌検査はできますが、手間だという方は「みどりくん」などの簡易キットを使ってみるのも良いですね。
もし、診断の結果、土壌の化学性を改善する必要がある場合は、下記の記事をご覧ください。化学性の改善に特化してまとめています。