土づくりとは、植物が育ちやすい土壌環境に整備することです。
しかし、自分の菜園が良い土なのか悪い土なのか、というのはなかなか分かりませんし、自分の畑がどんな土か分からなければ改善しようがありません。
そこで欠かせないのが土の健康診断(土壌診断、土壌分析)というわけです。
この記事では、土の物理性のチェックについて詳しく解説していきます。
土の状態を正しく把握することが、土づくりの第一歩ですので、何が不足して何が余分なのか、庭や家庭菜園の土を確認していきましょう。
物理性以外の、化学性、生物性の観点からの土壌の健康診断の仕方について下記を参考にしてください。
まずは、土を見て、触ってみる
まずは、土を見て、触りましょう。
微生物が棲みやすい団粒構造が形成されているか、砂や粘土が土の中にどれくらい含まれているかといった土の物理性の状態は、じっくり観察したり触ってみたりすると確認できます。
砂が多いか粘土が多いか
親指と人差し指の間に少量の土を取り、こね合わせて、ツルツルする感触なら粘土質の土で、ザラザラした感触なら砂質の土です。
前者は保肥力(肥もち)は良い反面水はけが悪く、後者は水はけは良い反面保肥力が悪いという土です。
ツルツル感とザラザラ感の両方を感じられる土(砂質の土と粘土質の土の両方が適度に混じり合っている土)が、水はけも保肥力も良い土となります。
有機物が多いか少ないか
見た目に黒っぽくてフワフワしている土は、有機物が多く肥えた土で、通気性も水はけもよく、作物の生育に適した土です。
固くてやせた土は、見た目にも黒みがなく、パサパサした感じがします。保肥力も悪いので、堆肥などを投入して改善する必要があります。
堆肥については栽培場所によって施し方が変わります。下記に施し方についてまとめていますので気になる方はこちらをどうぞ。
土を掘ってみる
50cmほど掘り下げると、土の層の様子が見えてきます。
普段耕している、作物の根が張る層のことを「作土層」といい、それより下部を「有効土層」といいます。
水はけと水もちの良い土を作るためにも、2つの層の役割を知る必要があります。
作土は、柔らかい土の層で、ここで作物は根を伸ばし、養分を補給します。
根の伸張を促すためにも、この層は、20cm程度の厚さが必要です。
また、有効土層は作土を支える土台となる部分です。
この層は地表から40〜50cmほどです。この部分は、締まっていることが普通ですが、締まりすぎていると雨が降りやんでしばらくたっても、水たまりが残ってしまうので改善が必要になります。
番外編:市民農園などを利用する場合
近年、新興住宅地周辺に市民農園が設けられ、気軽に野菜づくりを楽しむ人が増えてきました。
しかし、新たに野菜づくりをするにあたって、前に使っていた人がどのような肥料を入れていたのか、何を作っていたのが分かりません。
作物の種類によっては連作しても問題ないのもあるし、避けた方が良いものもあります。
そのような場合は、連作しても無難なコマツナ、カブ、ダイコン、ニンジン、タマネギ、カボチャなどから始めてみると良いでしょう。
長年、畑として使われてきた土は、養分が多い傾向がありますが、荒地のまま放置されていた土は養分が少なく、酸性土壌になっているので、それぞれ改善する必要があります。
おわりに
土の物理性のチェックのために、まずは土を観察して触ってみましょう。
砂質か粘土質か、有機物は多いか少ないか、作土層と下層土の役割を理解することが大切になってきます。
この物理性のチェックで土壌を改善する必要がある時は、下記を参考にしてください。土の物理性の改善について詳しくまとめています。