土づくりとは、植物が育ちやすい土壌環境に整備することです。
しかし、自分の菜園が良い土なのか悪い土なのか一見しただけではなかなか分かりません。
また、自分の畑がどんな土か分からなければ改善しようがありません。
そこで欠かせないのが土の健康診断(土壌診断、土壌分析)です。良い土の条件については土の物理性、化学性、生物性の3点から整理できます。
この記事では、土の生物性のチェックについて詳しく解説していきます。
土の状態を正しく把握することが、土づくりの第一歩です。何が不足して何が余分なのか、庭や家庭菜園の土を確認していきましょう。
生物性以外の、物理性、化学性の観点からの土壌の健康診断の仕方について下記を参考にしてください。
微生物や小動物の働きをみる
土壌中に無数に生息する微生物の働きを目で見ることはできませんが、植物の生育は彼らの働きなしでは成り立ちません。
微生物は、植物残渣や動物のふんなど土の中に入った有機化合物を無機栄養素に分解し、植物が吸収しやすいかたちに変える働きをします。
また、ミミズなどの土壌小動物の働きもとても重要です。ミミズなどの土壌小動物は、土を耕し、水はけや空気の通りをよくします。
このような小動物・土壌微生物が多く住み、活発に活動している状態が良い土と言えます。基本的に、土が団粒化して、水もち、水はけ、通気性が良く、pHの値や養分のバランスも適切であれば、土壌生物性が良いことを示しています。
具体的にどの程度、生物が活動しているか知るためには、紙を使ったり、ミミズの数をみたりして、簡単に確かめることができます。
土の生物性をみる方法
白い紙で微生物の力を診断
土の中に白い紙を入れて埋めます。適当な水やりをして土の乾燥を防ぎ、2〜3週間ほどたったら、掘り出してみます。紙に赤いカビが発生していたら糸状菌などの働きが活発です。やがてもっと分解が進むと、紙はボロボロになります。
ミミズの数と種類をみる
ミミズは土を耕す働きがあり、ふんにはチッ素、リン酸などの養分が含まれています。
土を掘り返したときにミミズが多い土は良い土です。
ただし、シマミミズ(体長5〜10cmで縞模様がある)が多い土は、未熟な有機物が多い可能性があります。
下記では、畑におけるミミズの役割について詳しくまとめていますので是非ご覧ください。
土壌生物性の改善方法
微生物が少ない場合
診断用の紙がボロボロにならず、微生物の力が弱い場合は、良質の堆肥を毎年1㎡当たり2〜3kg施すことで、微生物の数が増えます。また、米ぬかなどの有機物を入れても効果があります。
シマミミズが多い場合
堆肥を入れすぎてシマミミズが多くなると、モグラが出てきて作物に害を与えます。その場合は、堆肥や有機物の施用を止めてみましょう。
おわりに
今回は土の生物性のチェックについて紹介しました。
白い紙を埋めてみる方法は簡単にできるのでぜひしてみてください。
生物性の改善方法は上記で軽く説明しましたが、下記では詳しく生物性の改善方法に特化してまとめていますので気になる方は是非こちらもご覧ください。