1.セロリの栽培について
生育適温は15℃〜20℃で、25℃以上では生育不良になり、15℃以下の低温では花芽(のちに花になる芽)ができます。
保水力があって肥沃な土だとよく生育しますが、通気性の悪い過湿地だと草丈は伸びません。
また、乾燥しやすい土だと草丈が低く、収穫までの日数もかかり「ス入り」が早くなります。
高温だと生育が悪くなり、乾燥に弱いなど、かなりデリケートな野菜ですが、手をかけるだけに収穫したときの喜びは大きい野菜です。
2.セロリの品種
大株種では、黄軸で肉厚の「コーネル619号」や大株種ながら小株から収穫可能な「トップセラー」がよく知られています。
スープセロリでは、葉柄が白い「ミニホワイト」がオススメの品種です。
・コーネル(葉柄は適度な芳香を持ち、長めで厚みがあり、サラダやスープ、煮物などに利用できる)
・コーネル619号(黄軸で葉柄が太く、可食部は肉厚で丸みを持ち、繊維が少なく食味が良い)
・トップセラー(葉柄は幅が広く肉厚で、すじが少なく、耐病性に優れ、草勢旺盛で作りやすい)
・ミニホワイト(葉柄は純白、葉身は淡緑色のスープやサラダに適する)
3.セロリの育て方
土づくり
日当たりと排水がよく、腐食の多い肥沃な土壌が適していて、日当たりが不足すると葉色が薄くなり、株張りも小さくなります。
まず、植えつけの2週間前に苦土石灰を、1週間前に完熟堆肥と有機配合肥料を施し、クワなどでよく混ぜながら耕します。
幅120cm、高さ10cm〜15cmの畝を作り、マルチをします。
日当たりがよければマルチなしでも栽培は可能です。
土壌の適正酸度はpH5.6〜6.8です。
種まき
15℃以下および25℃以上では発芽率が低下しますので、5〜6月が種まきの適期です。
発芽まで10〜14日かかり、植えつけまでに約3ヶ月かかります。
苗の管理が難しいので、数株を育てるだけの場合は、苗を入手した方がよいでしょう。
もし、種まきからおこなう場合は、初めは生育が遅いので、日陰の風通しの良い涼しい場所で、乾燥しないように管理します。
植えつけ
植えつけの場合は7月中旬〜9月中旬に、本葉7〜9枚くらいの苗を条間40cm、株間30〜40cmの2条植えにします。
移植ごてなどで植え穴を掘り、根を崩さないようにポットから苗を取り出して植えつけます。
このとき、株元が土に埋まらないようにやや浅めに植えつけましょう。
植えつけたあとは、株元を軽く手で押さえてたっぷり水を与えます。
ポットまきで育苗するか、市販の苗から始めるのが簡単です。
管理
追肥と土寄せ
植えつけから2〜3週間たったら、株の広がりのあたりに化成肥料(8-8-8)30g/㎡をぐるっとまいて土を軽く耕しておきます。
そのあと2〜3週間ごとに、畝の肩のあたりに肥料を施し、周囲の土を株元に寄せます。
生長点(枝が分かれている部分)に土がかからないようにしましょう。
セロリは多肥を好む野菜で、少量ずつ回数を多めにして、肥料を切らさないように施すことが大切です。
わき芽とり
苗が小さなうちは、とにかく日をたっぷりと浴びせて育てます。
中心の葉が立ち上がってきたら、地面に接した下葉は取り除き、また、わき芽が出てきたら取り除きましょう。
収穫
小株の場合は定植後60日後、草丈が40cm以上になったら株元を包丁で切り取って収穫します。
大株の場合は、外側の葉から使う分だけ株元から外して利用すると、長い間収穫することができます。
寒い地域では、霜が降りる前に収穫し、また、収穫前に新聞紙でくるみ、茎が軟白化してから収穫しても良いでしょう。
4.セロリのよくある生育不良|おもな病害虫
5.まとめ
①好光性種子なので種まき後の覆う土はごく薄くする。
②日当たり、水はけ、風通しの良い畑で育てる。
③十分に水をやり、敷きワラなどで乾燥を防ぐ。
④株の様子を見ながら追肥し、肥料切れを避ける。
⑤わき芽はかき取って生育を促す。
この記事では、セロリの基本的な育て方や栽培方法について紹介しました。
下記では、セロリ栽培のよくある生育不良やセロリ栽培のよくある質問についてまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。