1.ネギの栽培について
ネギは大きく根深ネギ(長ネギ)と葉ネギ(青ネギ)に分かれます。
関東では、食用とする葉鞘部に土をかけて柔らかく軟白に育てる根深ネギが好まれ、関西では、地上部の緑の葉を利用する青ネギが好まれます。
葉ネギは比較的栽培が簡単ですが、長ネギはやや手間がかかり、種まきから収穫まで1年以上かかります。
2.ネギの品種
ネギは、群馬の下仁田ネギ、京都の九条ネギなど地方品種も豊富です。
・九条太ネギ(葉ネギの代表品種。京都苦情が主産地)
・九条細ネギ(葉肉が薄く柔らかい。九条太ネギより栽培しやすく、枝分かれが多い)
・万能ネギ(薬味などに向く)
・千住ネギ(白い部分が多く、葉肉が硬い。根深ネギの代表品種)
・加賀太ネギ(夏に育ち、冬場は休眠し年越しします)
・リーキ(葉がニンニクやニラのように平らで、根元の白い部分を食べます。)
3.ネギの育て方
土づくり
日当たりと水はけがよく、通気性もよい土壌を好みます。
冬の寒さが厳しく、耕土が深い地域には、千住系の根深ネギが向いており、反対に温暖で土の浅い場所には、九条系の葉ネギが適します。
まず、前年にネギを育てていない場所を選び、幅60〜120cm、高さ10〜15cmに畝をつくります。
耕した土は、柔らかすぎて溝を掘ることができないので、耕していない状態が適しています。
酸性の土壌を嫌うので、種まきや植えつけの前に苦土石灰をまいて土壌改良を行いますが、元肥は投入せず追肥で補っていきます。
鍬を使って深さ30cmの溝を垂直に掘りましょう。
種植え・植えつけ
種まきは3月下旬〜4月上旬で、浅い溝をつけ、すじまきで種をまき、極薄く覆土を行います。
発芽するまで、十分に水やりを行い、乾燥しないように新聞紙などをかけましょう。
育苗後の植えつけは根深ネギの場合、掘った溝に対して苗の太さを揃え、草丈30cm以上に成長した苗を5cm間隔で溝の片側に並べて植えます。
根の部分に土をかけ、ある程度植えたら、倒れないようにワラを置くのがポイント。
管理
間引き
本葉2〜3枚のときに、よい苗を育てるために間引きをします。
株間は2〜3cmを目安に他と比べて細くなった苗などを間引きしましょう。
間引きが終わったらそのまま草丈20〜20cmまで育てて収穫です。
土寄せ
枯れた葉があったら土寄せ前に必ず取り除き、畑に放置せずに処分しましょう。
土寄せは生長点を埋めないことが大事で、生長点は根と葉の間の盤茎部にあります。
苗の手前の土を寄せ、しっかりと土を押さえておきます。
土寄せの作業が終わり、成長するとまた生長点の位置が上がるので、生長点に土をかぶせない程度まで土を盛り上げましょう。
1回目の追肥
植えつけの1ヶ月後、化成肥料(8-8-8)30g/㎡を追肥として苗の溝にまき、その後、ネギ苗の葉の分かれ目(生長点の下)のところまで土寄せをします。
土寄せをすると、株元が土で隠れる状態になります。
2回目以降の追肥
1回目のあと、月1回のペースで追肥と土寄せを繰り返します。
食用部を軟白部にするときは、地表部の両側から土寄せして、溝を埋めていきましょう。
12月ごろから収穫できるので、追肥・土寄せは11月で終了してかまいません。
収穫
12月〜2月が収穫適期で、収穫までに株元にどれだけ土を寄せられるかがポイントです。
ネギに対して垂直に土を掘り起こし、傷つけないように注意して最後は手で引き上げましょう。
春先にはとう立ちするので、それまでには収穫します。
また、土が湿っているときに収穫したものは日持ちしないので、収穫作業は土が乾いているときに行いましょう。
4.ネギのよくある生育不良|おもな病害虫
下記に、「斑点ができる」「発芽しない」などのネギ栽培の生育不良と病害虫についてまとめています。
5.まとめ
①発芽率が落ちるので古い種は使いません
②湿気に弱いので排水のよい場所を確保します
③苗を植えつけるときの植え溝は深さ20cmに掘ります。
④植えつけたらワラで株元を安定させます。
⑤植えつけ1ヶ月後から生長点の下まで土を戻します。
この記事では、ネギの基本的な育て方についてまとめました。
他にも、より多く収穫できるような上手な育て方についてまとめています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方と栽培方法についてまとめています。