1.アスパラガスの栽培について
アスパラガスは雄株と雌株が混在した雌雄異株の多年草で、食用にする部分は若い茎で、雌株は夏に小さな花を咲かせます。
種苗店などで、春に萌芽前の株を購入すると早く収穫できますが、種から栽培する場合は2ヶ月ほど育苗して植えつけます。
本格的な収穫は3年目ごろで、4年目になると最盛期になり、以後しばらくは収穫量が安定し、一度植えつけると5年から10年以上収穫できます。
アスパラガスは管理も追肥をする程度で手間いらずで、寒さに強く、生育適温は18℃で冷涼なところを好みます。
日本ではおもに北海道や東北の高冷地で栽培されることが多く、雪の中でも越冬することができます。
2.アスパラガスの品種
地上部に伸びた緑の若茎を収穫するグリーンアスパラガスと、地中の白い若茎を収穫するホワイトアスパラガスがあります。
ホワイトアスパラガスは芽が土中から出るときに盛り土をして、光を遮って白く育てたものです。
手間がかかるので、家庭菜園では、グリーンアスパラを使うのが一般的です。
3.アスパラガスの栽培方法
土作り
酸性土壌に弱く、根が深く伸びるので、水はけ、通気性がよく、肥沃な土を選びましょう。
ただ寒さには強く、半日陰でもよく成長し、むしろ強い日光は好まないです。
まず、植えつけの2週間前に苦土石灰をまいて、土壌の酸度を調整する必要があります。
土壌の適正酸度はpH6.0〜7.0です。
1週間前には、完熟堆肥と化成肥料をまいて深く耕し、畝は幅1m、高さ10cmで1条植えです。
定植すると、7〜10年は同じ場所で栽培していくことになるので、移動しなくてよい場所を選びましょう。
種まき・植えつけ
春は3月中旬〜4月中旬、秋は10月中旬〜11月下旬が適期です。
まず、畝の真ん中に40cm間隔で、植え穴を掘り、穴にたっぷりと水を注ぎ入れ、土を柔らかくします。
次に、水が引いたら苗を植えつけましょう。
株元まで植え穴の隙間を埋めるように覆土をして、軽く指先で押さえて安定させましょう。
管理
1回目の追肥・土寄せ
植えつけの1ヶ月後、株元に化成肥料(8-8-8)30g/㎡を追肥し、畝の両側から土を寄せます。
2回目の追肥・土寄せ
1回目から1ヶ月ほど経った頃、1回目と同じやり方で追肥と土寄せをおこないます。
支柱立て・トンネルがけ
毎年、初夏になると茎葉が伸びてくるので、風で倒れないように支柱を立てます。
株を囲むように立て、株の高さに合わせてヒモを張りましょう。
大体20〜30cm間隔でヒモを張っていきます。
もしくは、トンネルをかけて風で倒れないようにしましょう。
越冬・株分け
寒気が増して茎葉が枯れてきたら地際10cmくらいで刈り取ります。
それから株を隠すように堆肥や刈り草を敷いて防寒しましょう。
年数が経って株元の根が過密な場合は、株分けをして勢いを回復させてあげましょう。
刈った茎はその場に残さず、必ず処分しましょう。
収穫
植えつけ後3年目くらいから収穫することができます。
4月下旬ごろ、茎の長さが20cm以上伸びて、茎の先端の蕾が開く前に、茎の太さに関係なく地際から刈り取って収穫します。
年数が経つにつれて、収穫期間が長くなります。
取りすぎると株の栄養が消耗して、翌年の収穫量が減ってしまいます。
4.アスパラガスのよくある生育不良|おもな病害虫
病気は比較的少ないですが、葉枯れ病などの重要な病害が発生する場合があります。
5.まとめ
①日当たりと水はけのよい場所を確保します。
②酸性土壌に弱いのでpHをきちんと調整する。
③生育してきたら倒れないように支柱を立てる。
④気温30℃以上で病害虫が大きくなるので注意です。
⑤収穫時に数本残すと翌年の収穫量が増える。
下記に「栽培サイクルは?」「いつ頃から収穫?」「雄株と雌株の違いは?」などアスパラガスを上手に育てるコツをまとめています。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法をまとめています。