1.ジャガイモ栽培について
ジャガイモは、馬鈴薯(ばれいしょ)、ジャガタライモともいい、地下にできる塊茎(かいけい)を食用とする根菜類です。
イモが肥大するには17℃が適温で、高温では肥大が悪くなり、29℃以上で生育が停止します。
春からの長日期の栽培では生育期間が長く、茎葉、イモの発育がよくなります。
逆に秋の短日期には発育がはやまり、短期間で成熟します。
2.ジャガイモの品種
ジャガイモは、多くの育成品種と、ウイルス病にかかっていない種イモの安全供給により、今日では寒冷地から暖地まで全国各地で栽培できます。
近年では、黄や紅色など多彩な品種が出回っています。
よく知られている早生種の「男爵」や、ホクホクした食感と甘さで人気の「きたあかり」などが作りやすくてオススメです。
・男爵薯(ホクホクの食感、粉ふきイモ、コロッケに)
・インカのめざめ(濃黄の肉色で小粒、製菓材料に向く)
・ベニアカリ(赤皮で肉は白。マッシュポテト向き)
・ムサマル(栽培しやすく、大粒のイモをつける)
・デジマ(秋植えもできる暖地向けの品種)
・シンシア(長い卵形で大粒。煮物やサラダに)
・ノーザンルビー(長楕円形で皮、肉とも赤色)
3.ジャガイモの栽培方法
土作り
日当たりがよく、水はけの良い場所を選びます。
pHが低い場合は、植えつけの2週間前に苦土石灰を施して調整します。
畝は高さ10cm、幅60〜70cmとし、中央に幅15cm、深さ15cm程度の溝を掘ります。
溝に肥料を入れたら、土を5cmほど埋め戻して底をならします。
土壌の適正酸度はpH5.0〜6.5です。
植えつけ
植えつけの適期は、中間地では2月下旬〜3月下旬、8月下旬〜9月上旬です。
暖地でも一年に2回の植えつけが可能ですが、寒冷地での植えつけは春だけです。
小さめのイモはそのまま植えつけ、大きいイモは30〜50gに切り分け(縦に2〜4個)、風通しのよい日陰で、2〜3日切り口を乾かせた後に植えつけます。
主産地では、増収やデンプン価の向上などを目的として、植えつけの1ヶ月前から種イモを直射日光に当てて丈夫な芽を育てる浴光育芽(よっこういくが)という技術も用いられています。
植え溝に種イモを30cm間隔に並べ(切り口は下の向き)、7〜8cm覆土します。
覆土が厚いと芽が出るのが遅れるので避けましょう。
また、生育環境やどういったじゃがいもを収穫したいかで植えつけの方法を工夫してみると良いですよ。
方法を変えることで病気に強くなったり収穫量アップが見込めます。
下記に色んなジャガイモの植え方をまとめていますので、参考にしてください。
管理
芽かき
芽が10cm程度に伸びたとき、勢いの良い芽を2〜3本残してほかを取り除きます。
株全体が抜けないように、片手で株元の土を下に押しながら、不要な芽を引き抜き、土を少し寄せておきます。
芽かきやイモの保存方法についてなどジャガイモを栽培し始めた後の管理は下記にさらに詳しくまとめています。
1回目の追肥・土寄せ
芽が15cm程度のときに、株元から少し離して化成肥料をばらまき、通路の土を株元に厚さ5cmほど寄せます。
2回目の追肥・土寄せ
その2週間後に、1回目の同様に追肥と土寄せをおこないます。
収穫
葉が黄変してきたら収穫します。
土が乾いている日に、株元から30cmほどのところにスコップを入れて掘り上げます。
収穫したイモは風通しがよく、涼しいところで直射日光を避けて貯蔵しましょう。
4.よくある生育不良|おもな病害虫
じゃがいものよくある生育不良やおもな病害虫については下記を参考にしてください。
「緑色になる」「新芽が縮れる」「発芽しない」「黒い斑点ができる」などの生育不良を9つと「疫病」「そうか病」などのおもな病害虫を5つまとめています。
5.まとめ
①種苗検定済みの良質の種イモを購入する。
②トマトやナスも含め連作を避ける。
③石灰は入れすぎないようにする。(そうか病に気を付ける。)
④イモが露出しないように土寄せを繰り返す。
⑤覆土が厚すぎると芽が出るのが遅れるので注意。
おわりに
この記事では、ジャガイモの基本的な育て方について紹介しました。
ジャガイモに関する記事は下記にもありますので、コチラもぜひご覧ください。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法をまとめていますので、こちらもあわせて参考にしてください。