この記事では、ブロッコリーの後作にピッタリの野菜を3つ紹介したいと思います。
相性の良い野菜を前作・後作に組み合わせるリレー栽培を上手く取り入れることで、土作りが不要になったり、病害虫や連作障害が防止されます。
結論から先に言ってしまうと、ブロッコリーの後作に特に良いのは「枝豆」「じゃがいも」「とうもろこし」です。
1.ブロッコリーの後作に「枝豆」を育てる
秋まき春どりのブロッコリーは中間地から温暖地の雪があまり積もらない地域で栽培されることが多いです。
9月下旬〜10月上旬に種をまいて苗を育てて、11月ごろ畑へ定植し、本格的に寒くなる前に根を活着させます。
寒さが和らぐ、2月下旬ごろにどんどん大きくなって、春先に収穫できます。
ブロッコリーはあまり肥料分を必要としない野菜で、肥料を施す量が少ないので、結果として残渣も少なくなっていきます。
なので、後作には土作りをしっかり行うか、肥料分がなくてもよく育つ枝豆などの野菜を育てるのが良いです。
枝豆は根に根粒菌が共生し、空気中の窒素を固定することで、自分の力でよく育ち、同時に土を肥沃にします。
2.ブロッコリーの後作に「じゃがいも」を育てる
これも、秋まき春どりのブロッコリーの後作に、肥料分が少なくてもよく育つ「じゃがいも」を組み合わせます。
そしてじゃがいもを育てる場合のポイントとして、ブロッコリーの残渣後に出る下葉や茎、根などの残渣をすきこむことが大事です。
ブロッコリーの残渣にはアブラナ科独特の辛み成分「グルコシノレート(からし油配糖体)」が含まれていて、畑に鋤きこむと分解されて、「イソチアシアネート」という揮発性の物質に変化します。
このイソチアシアネートには殺菌作用があり、土壌消毒をおこなうことができます。
なので、後作にじゃがいもを育てると、「そうか病」の発生を抑制することができます。
「からし油配糖体」というのはアブラナ科の野菜が出す物質で、アオムシたちはこの物質につられてやってきます。
なので鋤きこむのはブロッコリーだけではなくて、例えばキャベツなどの野菜でも原理は同じなんですね。
3.ブロッコリーの後作に「とうもろこし」を育てる
ブロッコリーの後の栄養分の少なくなった畑で、自ら肥料分を集める強いとうもろこし(スイートコーン)を育てる方法もあります。
ここでも、ブロッコリーの残渣はすき込んで良く、比較的生に近い有機質が残っていても、問題なく大きくなります。
7月中旬ごろから種をまき、11月初旬ごろになると甘くて美味しいとうもろこしを収穫することができます。
とうもろこしはひげ根をたくさん伸ばすので、根を鋤きこむことでさらに土に豊富な有機質を供給することができます。
4.ブロッコリーの鋤き込みの方法
ブロッコリーの収穫が終わったら、葉や茎を20cm程度に切って、生のままで、根と一緒に土にすき込みましょう。
すきこむのは、深さ10cm程度の範囲で良く、深くすきこむ必要はありません。
そして3週間以上たってから、畝をたて、後作にうつるのが良いですね。
ブロッコリーの鋤き込みは、原理的には農薬を使った殺菌、殺虫の「土壌燻蒸」と同じで「生物的土壌燻蒸」と呼ばれます。
土壌病害が発生しやすいナス科、ウリ科などにも応用することができます。
土壌病害が多発している時は、ブロッコリーの代わりにグルコシノレートを多く含む、コブタカナ、カラシナなどを使っても良いです。
残渣をすき込んで、透明のビニールシートで畝全体を覆って、1ヶ月弱密閉すると効果が高まりますよ。
5.まとめ
①後作には土作りをしっかりおこなうか、肥料分が少なくてもよく育つ野菜を選ぶ
②特に「枝豆」「とうもろこし」「じゃがいも」がオススメ
③ブロッコリーの残渣を鋤きこむことで土壌消毒をおこなうことができる
④鋤きこむのはブロッコリーでなくてもアブラナ科の野菜でも良い。(カラシ菜等)
この記事では、ブロッコリーと相性の良い野菜について紹介しました。
下記では、ブロッコリーの基本的な栽培方法や栽培記録などをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。