この記事では、玉ねぎのコンパニオンプランツ(混植や後作)について解説します。
1.玉ねぎとクリムゾンクローバーの混植
玉ねぎとクリムゾンクローバーを混植することで得られる3つの効果とその方法を解説します。
玉ねぎにつく害虫(主にスリップス)を駆除する
玉ねぎは越冬し、玉が肥大してくる頃になると、スリップス(ネギアザミウマ)が発生し、葉がカスリ状の食害を受けることがあります。
スリップスは体長1mmほどで、手で取り除くのは困難で、被害が大きくなると、玉の肥大も悪くなります。
玉ねぎの条間にマメ科の牧草であるクリムゾンクローバーを植えることで、スリップスを捕食するハナカメムシなどの昆虫を呼び寄せることができます。
マメ科の花は蜜と花粉が多いため、クリムゾンクローバーには多くの種類の昆虫が集まり、天敵を利用して害虫を防除することができます。
玉ねぎの生育促進
クリムゾンクローバーは冬の牧草で、寒さに強く、地表に繁茂するので、玉ねぎの乾燥と凍害から守ります。
また、マメ科の植物なので大気中の窒素を地中に固定し、養分として玉ねぎに供給します。
なので玉ねぎの生育も良くなるということですね。
雑草抑制効果
3月になるとクリムゾンクローバーは急速に繁茂し、他の雑草が発生するのを抑えます。
柔らかい葉にはアブラムシがつく可能性がありますが、ほどなくてんとう虫などの益虫の住処になりますよ。
クリムゾンクローバーとの混植方法
マルチは使用せずに、普通栽培と同じように玉ねぎの苗を育てましょう。
その玉ねぎの苗の条間にクリムゾンクローバーの種をまきましょう。
クリムゾンクローバーは緑肥用のものも市販されています。
一週間ほどで発芽し、地表を覆うように草丈の低い状態で越冬し、霜柱で玉ねぎが浮き上がるのも防ぎます。
そしてクリムゾンクローバーが土を肥沃にしていくので混植をする場合は、追肥はしなくて良いです。
春先になると、クリムゾンクローバーは穂を伸長させて、赤い花を咲かせるので、「ストロベリーキャンドル」という別名とも呼ばれています。
2.玉ねぎとエンドウ(そら豆でも可)の混植
玉ねぎはマメ科植物との相性がとても良いです。
なのでエンドウだけではなく、ソラマメも応用することができます。
病害虫から守る
玉ねぎとマメ科の野菜は共に、越冬し互いに根を張っていきますので、霜柱が立ちにくくなり、凍害から守ります。
また、玉ねぎはネギ属なので根に共生する菌が抗生物質を出すために、エンドウの立枯病などの病気を防ぐことができます。
気温の上昇と共にエンドウにはソラマメヒゲナガアブラムシやマメアブラムシなどが発生しますが、同時にてんとう虫やアブラバチなども増えるので、玉ねぎの害虫を防ぐバンカープランツの役割も果たします。
生育促進
さらに暖かくなると、エンドウの根につく根粒菌も活発に窒素固定を行い、周囲の土を肥沃にします。
玉ねぎは肥沃になった土から養分を吸収し、玉を肥大させます。
そら豆との混植方
玉ねぎもエンドウも品種の指定は特になく、玉ねぎもエンドウも育苗して植えるのが良いです。
畝幅70cmの畝を作り、玉ねぎを株間10cm〜15cm程度で2条植えします。
そして列と列の間にエンドウを株間50cm程度で植えましょう。
3.玉ねぎ⇨カボチャ(キュウリ、ゴーヤ)のリレー栽培(後作)
玉ねぎの収穫時期は品種によって変わってきますが、5〜6月ごろに玉ねぎの収穫前にカボチャを苗で植えつけます。
この方法は地這いキュウリやゴーヤにも応用可能です。
病気予防
カボチャの根に玉ねぎの根が触れ合うように植えることで、玉ねぎの根に共生する細菌が抗生物質を分泌して、カボチャの土壌病原菌の密度を減らすことができます。
カボチャは元々肥料分をあまり必要としない野菜です。
玉ねぎの栽培では、残肥が多くなりがちなので、土作りを省略してカボチャを植えても十分良く育ちます。
カボチャの後作方法
玉ねぎ、カボチャの品種は指定はありません。
ただ、玉ねぎは早生種を選んでおけば、スムーズにカボチャに移行することができます。
カボチャを植える予定の場所を事前に空けておくか、その場所に植えてある玉ねぎを先に収穫し、そこにカボチャの苗を植えましょう。
マルチを使用して玉ねぎを育てている場合もそのまま植えることができます。
カボチャが根付くまでは、カボチャの苗の周囲にビニールで囲いを作ると、強風から苗を守ることができて、生育がよくなります。
4.まとめ
①玉ねぎの混植には、「クリムゾンクローバー」「そら豆」「インゲン」
②玉ねぎの後作には「カボチャ」「地這いキュウリ」「ゴーヤ」
この記事では、玉ねぎの混植について紹介しました。
下記では、他にも玉ねぎの基本の育て方などをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。