カボチャやスイカ、メロンなどは確実に着果させるために人工受粉を行うことがあります。
花粉の状態の良い時間帯を選んでおこない、受粉日を書いたラベルなどをつけておくと、熟期がわかって収穫の目安にもなりますので、そういった意味でも人工受粉はかなり有効な手立てです。
この記事では、人口受粉についてと受粉を確実にするためのホルモン処理についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
人工受粉とは?そのやり方
雌雄異花の野菜は花粉が風などで運ばれて受粉し、実ができます。
雌雄異花の野菜のウリ科野菜のなかでも、スイカ、メロン、カボチャなどは、確実に実ができるようにするために「人工受粉」をオススメします。
低温期は花粉を運ぶ昆虫の活動が鈍く、また、梅雨時は花粉が雨にぬれて受精できず、着花が不安定になりますので、人工受粉に適しているのは、花が咲いた日の午前中です。
晴天なら最適で、花粉の寿命は1〜2日程度ありますが、開花直後はもっとも受精能力が高いので、遅くとも9時までには作業を終えるようにしましょう。
朝露が乾くのを待って作業をおこないます。
気温の低い早朝は花粉が出ていないこともあるので、雄しべを指の爪にこすりつけて、花粉が出ていることを確認します。
1つの雄花で3〜4花の雌花に受粉できます。
受粉を終えたら、目印をつけます。色々なやり方がありますが、日付を書いたラベルをつけておけば、収穫日の目安になって便利です。
特に完熟してから収穫するメロンやスイカは、受粉日からの計算が重要となります。(目安は50〜55日前後)
気温が上がって昆虫が活発に活動し始めれば、人工受粉をしなくても着花するようになります。
家庭菜園なら自然の交配に任せても大丈夫です。
同じウリ科野菜でも、キュウリは受粉しなくても結実する性質があるので、人工受粉は不要です。
ホルモン処理について
育苗や植えつけ後の低温が続くと、花粉の機能が弱まり、着果しにくくなります。
その場合、ホルモン剤を使うと効果が上がります。
低温期のトマトによく用いられます。トマトは第一花房の着果が生育を左右するので、確実な着果を目指すため、低温期に行うことがよく知られています。
花が2〜3輪開花したら、スプレー(トマトトーン)でひと吹きします。
つぼみや同じ花に何度も散布すると空洞果になりやすく、新芽や生長点にかけると、障害が出ることがあるので注意しましょう。
おわりに
人工受粉をおこなって確実な着果、そして収穫を目指しましょう。
この記事では、野菜づくりにおいて重要な人工受粉について紹介しました。
下記では、他にも野菜づくりに欠かせない基礎知識についてまとめています。