以前近所の方が「ミミズがいる畑は良い畑だ」と言っていました。
でもその根拠が分からず、しかも、「ミミズがいない方が良い」と言う方だっています。
なので今日は、ミミズがいる畑は「良いのか」「悪いのか」そして、その影響について検証していきたいと思います。
1.ミミズがいる土は良い土かどうか。アンケート。
まずは、Twitterでアンケートをとることにしました。アンケートには約400票の回答がありました。
このTweetのアンケートに答えてくれた方、リプライをくれた方々皆さんに感謝です。
そしてその結果がこちらです。
結果は歴然ですね。95%の方が「ミミズがいる畑は良い畑」に投票し、「ミミズがいる畑は悪い畑」に投票したのはわずか5%でした。
この結果だと、「ミミズがいる畑は良い畑」と言えそうですが、5%の方が「悪い畑」に投票したのも事実です。
それでは、ここからは寄せられたリプライを元にさらに細かく分析していきたいと思います。
2.ミミズの5つの働きについて
まず、前提としてミミズの役割について考えていきたいと思います。
https://twitter.com/hmatsumu さんリプライより以下引用。
@hmatsumuさんありがとうございました!
1.「動き回る」ミミズは土をかき回し穴を空けます。空気や水の通り道となり微生物が多く発生します。
2.「食べる」有機残渣を食べ、ミネラルを植物が利用可能な状態にします。また病原菌やセンチュウも食べて数を減らします。
3.「フンをする」ミミズの糞には周辺よりも窒素・リン・カリが2~3倍以上含まれて肥料となります。
4.「尿をする」窒素分が多く、動いた後の穴を固め、微生物のエサとなります。
5.「死ぬ」ミミズは死ぬと自らの消化液で速やかに分解され、タンパク質やアミノ酸が微生物のエサになり、肥料として使われます。
ふむふむ、ミミズは最初から最後までとても大切な役割を果たしてくれているんですね。
3.ミミズがいる畑は良い畑!!
ふうき@農学部@yasainikiさんのリプライがとても参考になりましたので、引用させていただきます。
ふうき@農学部@yasainikiさんありがとうございました。以下引用。
良い畑の定義も考え方によると思いますが、野菜が沢山採れるかどうかという観点で考えてみると、 1999年のレビューの中で75%の実験で平均63%の収量増が確認されているように、比較的多くの実験でミミズの存在によって作物の収量が増加することが報告されています!一方で、収量が増加しない、あるいは減少するという結果だった研究も多々あり、必ずしも良い効果があるとは限らないようです。というのも、ミミズの効果は、土の性質や有機物量などの畑の条件(例えば、砂質でpHがやや酸性よりの土壌でミミズの効果が高かったり、一年生の作物より多年生の作物に対する効果が大きかったりと)やミミズの種類によっても変わるようです。また、ミミズの密度が増えすぎると逆に収量が減ったとうい報告も複数あります。 ここまで来ると結局どっちなんだろうって感じですが全体的に見れば「ミミズがいるのは良い畑」というのはある程度科学的に検証されたことだと思います。ふうき@農学部@yasainiki·2019年10月21日長々と大変失礼しました
そして、↓は@農学部@yasainikiさんが載せてくれたレビュー論文です。
必要な方はツイートからリンクにとんでください。ダウンロードできます。
アンケート結果からも、皆さんのリプライから考えても「ミミズがいる畑は良い畑」と考えて良さそうですね。
4.ミミズがいる畑は悪い畑??
そう言う意見も少なからずありました。しかし、この意見もミミズ自体が悪という意見ではありませんでした。
ミミズがいることで獣害被害が出るというものでした。その獣は「もぐら」です。
ということで自明かもしれませんが、ミミズ自体が作物や土壌に直接悪影響を与えるということではないようです。
下記では、ミミズを食べるモグラの生態や習性についてまとめていますので、コチラもあわせて参考にしてください。
5.まとめ
①水や空気が通り、微生物が活性化される。
②病原菌を食べてくれる。有機残渣を食べて、植物がミネラルを吸収できるように
③糞には周辺よりも窒素・リン・カリが2~3倍以上含まれて肥料になる。
④死ぬと消化液で分解され、タンパク質やアミノ酸が微生物のエサになる。
⑤75%の科学的実験で平均63%の収量増が確認されている。
⑥モグラによる獣害の可能性。
いかがでしたか?
アンケートでも95%の方が「良い畑」と答えていますし、様々なご意見から「ミミズがいる畑は良い畑」といえますね。
Twitterでアンケートに答えていただいた方、リプライをいただいた方ありがとうございました!